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8月末に開催された「YouTube Music Weekend 10.0」に全日程出演したキタニタツヤが、その最終日に初公開した新曲。この曲のキタニ自身によるコメントには、明確にポピュリズムや排外主義に対しての違和感が記されているが、そのうえでコメントの最後には「我々はちょっとずつ良くなってきているはずだ」と綴られている。この認識が、常に彼を様々な悲観や恐怖、怒りを乗り越えて、見えない未来に向けて1歩前に進ませているのだろう。この曲は、聴き手を目隠しして「どうせ、こういうのが好きなんだろ? これで踊っとけ」と乱暴に投げつけられるような悲しい音楽じゃない。この曲は、社会を、個人を、歴史を、そして希望を僕らに直視させる。曲自体のトータルタイムは3分弱だが、もっと遥かで長い時間の流れがこの曲には描かれている。さあ、ここからゆっくり、でも確かに、やろう。じんわり近づけ、光に。焦らなくてもいい。でも種は撒いていけ。そうこの曲は僕らに伝える。僕らはマターリ進んで、希望を掴む。(天野史彬)(『ROCKIN'ON JAPAN』2025年11月号より)
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