YOASOBIは、ライブバンドだ。そう言い切ると違和感を持つ人もいるだろうけれど、このあとのインタビューを読んでもらうと今、Ayaseもikuraも明確にその意識を持ってYOASOBIの活動をしていることがはっきりわかる。もちろん2019年末のグループの始まりからそうだったわけではない。むしろ「小説を音楽にするユニット」として主にネット上で人気が爆発し、世間はコロナ禍となるという、ライブとは大きな距離があるところからYOASOBIはスタートしている。しかし丁寧に一つひとつ目の前のことに向き合ってきた活動と、いくつかの大きな転機の中で、Ayaseとikuraというそれぞれのパーソナリティの中にもともとあった「ライブ」への想いとストーリーが躍動し始め、ふたりの間でも、チームYOASOBIの中でも巨大な化学反応が起きた。そしてYOASOBIは他に類を見ない、今の時代と見事にマッチしたライブバンドになった。
ひとつめの大転機は2023年の春に行われたアリーナツアー「電光石火」だった。さらに今、ドーム公演を成功させた後のYOASOBIは再びライブバンドとしての大転機を迎えている。新たなライブの概念の拡張形を国内で追求するホールツアー「WANDARA」がスタートした今こそ「ライブバンド=YOASOBI」の稀有な歴史と無限の可能性を改めて伝えたいと思い、この別冊特集を届ける。
インタビュー=古河晋
(『ROCKIN'ON JAPAN』2025年10月号より抜粋)
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