モリッシー、ノルウェー連続テロ事件が「どうってことない」発言について釈明

2009年作 『イヤーズ・オブ・リフューザル』

7月22日にノルウェーの首都オスロで政府庁舎が爆破され8名が死亡し、さらにはオスロ近郊のウトヤ島での銃乱射事件で64名以上の死亡者が出たノルウェー連続テロ事件をめぐって、モリッシーはマクドナルドやケンタッキー・フライド・チキンと較べたらどうってことはないというコメントをして、これが大きな物議をかもしているが、モリッシーはこのコメントの真意を先頃説明したものの、謝罪はしていない。

もともとモリッシーは動物愛護主義者として知られていて、そのために厳格な菜食主義を貫き、ライブやフェスなどでも菜食を求めたりしていることもこれまで報じられてきている。そうした文脈で7月24日に行われたポーランドのワルシャワでのライブ中にモリッシーは今回のノルウェーの事件はマクドナルドやケンタッキー・フライド・チキンによる動物虐殺と比較すれば「どうってことはない」と発言したのだが、これが大きな批判を呼ぶこととなった。

モリッシーは自身の発言スペースとしてよく利用しているtrue-to-you.netを使って、今回のノルウェー連続テロ事件についてのコメントの真意を説明している。ファストフード店など料理を提供するために動物が1日数百万単位で殺されているのだということを力説したうえでモリッシーはこう語っている。

「ノルウェーでの虐殺にまっとうに恐ろしさを感じたというのなら、自然の成り行きとして、あなたはどんな生き物が殺されても恐ろしさを感じるはずだということになります。動物が『わたしたちとは違う』からといって、動物が虐待されていることを無視することはできないはずです」

さらにモリッシーはメディアの事件の扱い方を批判し、事件の主犯アンネク・ブレイビクを「切り裂きジャック」のように持ち上げていると語っている。

「わたしたちは殺された人々の名前については公表してもらっていません。それはあたかも、殺された人々がさして重要ではないといっているようでもあり、その一方で、殺人者を切り裂きジャックのようなスターに祭り上げているメディアの熱狂は醜悪そのものです。彼こそ名前は公表されるべきではないし、写真も紹介されるべきではないし、人知れず退場させられるべきなのです」

モリッシーが事件後のライブでこの「どうってことない」発言した後にはNMEのユーザーの多くも「やり過ぎだ」と怒りのコメントを数多く寄せた。


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