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今夏のROCK IN JAPAN FES.に続いて、COUNTDOWN JAPANにもついに初登場となった安藤裕子。独自のキャラクターと高い音楽性を両立させているシンガー・ソングライターの一人である彼女だが、ここ幕張でもその魅力を十二分に見せつけてくれた。セカンド・アルバム『Merry Andrew』の冒頭を飾る“ニラカイナリィリヒ”のやわらかなピアノの調べから始まったライヴ。どんなに洗練された楽曲を歌っても雰囲気だけで終わってしまうことがなく、ちゃんとポップ・ミュージックとしての喚起力を持っているのが、この人は本当にすごい。そして、事前に彼女のブログでも告知されていた通り、この日はキャリアを遡って、そうした彼女の歌の力を再確認させられるようなステージとなった。バンドで演奏するのは初めてだったという“雨月”、一気にヴァースで大きな広がりを持つ“彼05”、そして、6年前に発表されたデビュー・ミニ・アルバム『サリー』収録の“蒔かれた種について”、本人も語っていた通り、「幻となっていた曲」が演奏されていく。最後は“The Still Steel Down”から“聖者の行進”へ。「どんなに辛いことがあっても、『明日への期待』を失わないように」とも言っていた彼女。これまで歩んできたキャリアを貫いてきた“芯”の部分を見せられるようなライヴだった。(古川琢也)