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開演前から入念なサウンドチェックを行っていたのは、CDJ初登場となるNOVELS。TVアニメ『TIGER & BUNNY』のオープニングテーマ“ミッシングリンク”で一躍脚光を浴びた、愛知出身の4ピースである。「こんにちは、NOVELSです!」との挨拶から、まずは鋭利なリフがせめぎ合う“レムリア”をドロップ。大きめの白シャツを着たフロントマン・竹内をはじめ、ビジュアル的に一見華奢にも映る4人だが、そこから放たれるサウンドは驚くほど太い。緻密にアレンジされながらもダイナミックに弾ける端正かつ野性的なバンドサウンドは、今後のロック・シーンの急先鋒となりえるスケール感を持っているように感じた。そのまま“鏡の国の二人”へ流れると、繊細なアルペジオに乗せて心の疼きを綴ったシリアスな歌詞を吐き出していく竹内。かと思えば「イエーイ、楽しんでますか?」と陽気にシャウトしたシーンには、思わず笑ってしまった。続くキラー・チューン“ミッシングリンク”では、ゴツゴツとした一枚岩のバンドサウンドがサビに向けて一気に覚醒。“Wiz”では一転して、研ぎ澄まされたアルペジオの交錯がファンタジックな色彩を描いていく。「2011年、悲しいことが沢山ありました。でも楽しいことも勿論いっぱいあって。この年を悲しいことがあった年だけで終わらせたくないんです。だから皆を代表して言いたい。2011年、ありがとうございました!」とオーディエンスの拍手を誘うと、「悲しいことも楽しいこともある中で、たくさん夢を見ていきましょう!」とラストのMCを締め括った竹内。その後鳴らされた“星と君とマーブル模様のこと”のスピリチュアルな響きは、激動の2011年に捧げる鎮魂歌のようだった。少年性溢れるリアルでディープなメッセージ性と、現実を軽く飛び越えていくドリーミーな跳躍力を兼ね備えたNOVELSの壮大な楽曲世界。その可能性の大きさを存分に窺わせる、濃密なアクトだった。(齋藤美穂)