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◆BEAT CRUSADERS (11:55 リベルタステージ)
ゲスト・アーティスト:TROPICAL GORILLA / WISE / 高橋 瞳 / ELY(BREMEN) / 磯部正文

モビリタステージのLOW IQ 01 & THE RHYTHM MAKERSのステージが終わるかという頃、リベルタステージでは、いつもの"SASQUATCH"のSEが鳴り響くなか、お面の5人が登場! そう、BEAT CRUSADERSだ。これまで、さまざまなバンドとのスプリット盤などコラボ音源を数多くリリースし、ライヴでも多彩なゲストを迎えたステージを多々繰り広げてきたビークルだけに、JAPAN JAMを盛り上げてくれること必至である。ステージに登場しお面を脱ぎ捨てると、ヴォーカル:ヒダカも、さっそく「俺たち、スプリットとかよくやってるから、それを渋谷さんがパクった」というMCで沸かせる。そしてオープニング・チューンの"TIME FLIES, EVERYTHING GOES"から"LOVEPOTION #9"という流れで、オーディエンスのテンションは早くも最高潮に!




挨拶代わりにビークル・ナンバーを披露した後、「怒髪天の次ぐらいに男らしいバンドです!」というヒダカの紹介を受け、TROPICAL GORILLAが登場。2つのバンドがステージにずらりと並ぶ様子はまさに壮観で、はっきり言って男くさい。06年にリリースされたスプリット・ミニアルバム『CELL No.9』から、まずは"JAPANESE GIRL(トロゴリ ver.)"を演奏する。ヒダカとMxTxRx、それぞれの楽器が向き合う姿は、これぞセッションという醍醐味をもたらしてくれる。続いて"DROOG IN A SLUM"を演奏し、「もう一度声援をー!」というヒダカの声に送られてTROPICAL GORILLAがステージから去ると、「山に向かってー」というJAPAN JAMヴァージョン・おま○コールから"ISOLATIONS"へ。そして"MICKY MOUSE CLUB MARCH"と畳みかけた後、「またまた素敵なゲストです」とステージに呼び込まれたのは、イッソンこと磯部正文。磯部がヴォーカルをとりHUSKING BEEのナンバー"BY CHANCE"がスタートすると、その瞬間に空気が引き締まるような心地よさに包まれる。続いてはブルーハーツの初期の名曲のカヴァー"青空"を演奏。フォーキーでもの悲しいこの曲を、ミドル・テンポのパンク・チューンにアレンジして聴かせてくれた。


「野獣ばかりでそろそろきれいなものが観たいですよね。美女を紹介します!」とヒダカが告げると、ステージには高橋 瞳が。昨年、シングル"ウォーアイニー"でビークルとコラボした高橋 瞳は、白いミニドレスというラブリーないでたちで登場。ステージをぴょんぴょん跳ね回り、スウィートかつパワフルな歌で魅せる姿は、まさにこれまでの前半戦と対照的。そんな高橋とヒダカの掛け合いは、文字通り異種格闘の面白さがありながら、エモーションの方向はばっちり揃っていて、一瞬の「あれ?」という違和感が、とたんに気持ちよさに変わっていく。


ビークル・ナンバーの"PERFECT DAY"、カトウタロウが麗しい(?)ファルセットでヴォーカルをとるABBA"DANCING QUEEN"のカヴァーを経て、今度はBREMENから、ビークルの3rdアルバム『popdod』でもゲストヴォーカルとして参加していたElyが登場! 鮮やかな黄色の琉球かすりをまとい、両手を大きく広げて伸びやかな歌声を聴かせてくれる。またまたビークルとはまったく違う声とグルーヴながら、それがバンドの音と重なり合うと、なんとも気持ちがいいから不思議だ。そのまま、"WORK IT OUT"と "HIT IN THE USA"を披露。続いても、そんな「普通なら相容れない」フィーリングがばっちりひとつになったパフォーマンスだった。ビークルをフィーチャーしたシングル曲"INTO THE SKY"でおなじみのWISEが登場し、ヒップホップのグルーヴとパンクのエモーションがひとつになって、まったく新しいミクスチャー・ロックを聴かせてくれた。


最後の"FOOL GROOVE"では、ゲスト全員がステージに踊り出て、所狭しと歌い、リズムを取る。カラーの異なるアーティストとのコラボや共演が得意なビークルだが、これだけサウンドもフィーリングもばらばらな面々がみんな、こうして同じステージに上がることは、これまでになかったのではないか。しかもこのセッションは、それらをただのばらばらなものとしてひとつひとつみせるのではなく、ビークルのスピリットのもと、一本筋の通ったものとして表現するものだった。そして、そのどれもが、まっすぐなエモーションとポップネス、そしてに楽しさに満ちていた。うつむいてロックをやることがどんなに簡単で、すべてを楽しさへと変えていくことがいかに難しいことか。それをビークルは、これだけのヴァラエティに富んだゲスト陣を迎えてなお、しっかりと達成していたのだ。(羽鳥麻美)

1 TIME FLIES, EVERYTHING GOES
2 LOVEPOTION #9
3 JAPANESE GIRL w/TROPICAL GORILLA
4 DROOG IN A SLUM w/TROPICAL GORILLA
5 ISOLATIONS
6 MICKY MOUSE CLUB MARCH
7 BY CHANCE w/磯部正文
8 青空 w/磯部正文
9 ウォーアイニー w/高橋 瞳
10 PERFECT DAY
11 DANCING QUEEN
12 WORK IT OUT w/ELY
13 HIT IN THE USA w/ELY
14 INTO THE SKY w/WISE
15 FOOL GROOVE w/ゲスト全員