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ホスト・アーティストはスネオヘアー、ゲスト・アーティストは渡辺健二(情熱)。スネオヘアーと、彼が田中貴(サニーデイ・サービス)とやっているバンド=情熱が共演する、つまり本人と本人が対バンする、という企画。
「かっとばせー、スネオ」と、複数の男の低い声でコールする脱力SEにのって、スネオヘアー、ギター奥田健介(NONA REEVES。昨日はリキッドルームのレキシで弾いておられました。そのレポはこちら http://ro69.jp/live/detail/67319 )、ベース田中貴、ドラム小松正宏(bloodthirsty butchers)が登場。フロントの3人が横一線に座った状態で「こんばんは、スネオです」とあいさつして、スネオのアコースティック・ギターとオッケンのエレクトリック・ギターのからみで1曲目が始まる。おお、“headphone music”だ。続いて、おおお、“逆様ブリッジ”。という、いきなり代表曲たち出し惜しみなしの始まり方。音、さっきまでの雅-MIYAVI-の超絶爆音ライヴとすごいギャップだが、そのギャップが心地いい。オーディエンスもそう感じているようで、ステージから放たれる一音一音、一声一声に向き合う集中力が、曲を追うごとに高まっていくのが、見ていてわかる。
「今日はスネオヘアーvs……vsじゃあねえか。スネオヘアー×渡辺健二。自分じゃねえか。友達がいないから。久しぶりに声をかけたら『その日忙しい』とか『飲み会がある』とか。まあ、自分に帰る、自分に向きあうということで」という、例によって自嘲気味のMCをはさんで、3曲目、ダブ調の“期待ハズレの空模様”へ。これもいい曲だなあ。じっくりと聴かせたあと、「前の雅-MIYAVI-からガラッと変わってどうしようかみたいになってんじゃねえよ! お客!」と、さらに自嘲MCで笑いをとってから、4曲目は、おおおお、“セイコウトウテイ”! 美メロ曲攻めだ、今日のスネオ。いや、この人の場合、もともと大半の曲が美メロだけど、その中でも特に強力な曲を並べた感じです。さらに5曲目、必殺の名曲“バースデー”で、スネオヘアーの持ち時間は終了。全員、楽器を置いてステージを去るが、スネオさん、去り際に、「また出てきますからね」とひとこと。






SEが流れる中、ステージの転換が行われ(すごいスピードでした。5分とかからなかったのでは)、情熱が登場。ヴォーカル&ギター渡辺健二、ベース田中貴、ドラム小松正宏の3ピース。つまり、さっきのスネオヘアーからギターのオッケンがいなくなっただけなんだけど、1曲目“opcl”が始まった瞬間に、「あ、ほんとだ、別物だ」と、納得する。静かに始まる3拍子の曲で、スネオさんは、間違えた、渡辺健二は座ってエレクトリック・ギターをつま弾きながら歌い、途中からバンド爆音&スネオ絶叫な展開になだれこんでいく、という曲。続いては「情熱の欠片もない 情熱の欠片もない」とリフレインしていくうちにグランジ&オルタナな世界に突入してまたスネオ絶叫、という、“情熱の欠片”なる曲。確かにこれ、スネオヘアーでは、やらない。というか、渡辺健二だけじゃなく、こんな曲でベースを弾いている田中貴も、過去、観たことがない(小松正宏はありますが)。
次はイントロのギター・リフが印象的な“DANCE”という曲で、これはまあスネオでやってもおかしくないかな、と一瞬思ったが、曲の途中で「いや、やっぱ違う」と思い直す。歌詞が、ないのです。言葉らしきものを口にしたのは、「LIFE」とか「SMILE」とか「PEACE」ぐらいで、あとはずっと「♪トゥットゥットウットウットゥトゥットゥー」と歌い続ける、そういう曲。
ラストは、静かでしんみりと始まるけど、曲の途中でスネオ、また間違えた、渡辺健二がメンバー紹介&自己紹介&あいさつをしたあとでいきなり爆音になる“情熱のテーマ”という曲でシメ。いやあ、おもしろい。こういうバンドだったのか、情熱。って知らなかったのかよ、って話ですが、すみません、知らなかったんです。存在は知っていたけど、こうしてちゃんとじっくり観たの、初めてで。また観たい。(兵庫慎司)


◆スネオヘアー
ゲスト・アーティスト:渡辺健二(情熱)

スネオヘアー
1.headphone music
2.逆様ブリッジ
3.期待ハズレの空模様
4.セイコウトウテイ
5.バースデー

情熱
1.opcl
2.情熱の欠片
3.DANCE
4.情熱のテーマ