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RIJF初登場の小谷美紗子、100sのドラム・玉田豊夢とベース・山口寛雄と共に、小谷美紗子Trioとしてステージに登場! 深く一礼してキーボードに向かうと、流暢な英語詞で情感たっぷりの“Rum&Ginger”を歌い上げ、一瞬にして会場を艶っぽく染めていく。続く“YOU”でのしっとりと、しかし力強く聴くものを鼓舞する歌声の威力がすごい。タイトなドラムとリズミカルなベースの間を縫って紡がれるピアノの音、そしてその中でひときわ凛と響く小谷の声。知らず知らずのうちに溜まった何かを薄めてくれるような力が宿っている。トリオ編成でのベートーヴェンの“ピアノ・ソナタ「悲愴」”の披露を挟んで、“眠りのうた”“Out”と続くと、神聖さにも似た独特の雰囲気を醸し出していたのが印象的だった。「隣で奥田民生さんがやってるのに観にきてくれてありがとう」なんて控えめなMCの後、「消えろ 消えろ 痛いの消えろ」のシャウトが痛烈に鼓膜を刺激する“消えろ”でオーディエンスの心を掻き毟る。ズシンと心に響くステージでした。(林敦子)