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最終日のGRASS STAGEの、一日のうちで最も暑くなる時間帯、ここでROCK IN JAPANに初出演を果たすのは、FUNKY MONKEY BABYSだ! 「FMB」の文字が発光し、左右に大型の3連スピーカーを備えたDJ卓に、もしかすると日本で最も有名かも知れない「アルバム・ジャケットの顔」=真っ赤なレスリング・ユニフォーム姿のDJケミカルが飛び込んで「ROCK IN JAPA—N!! いくぞー!!」と“アワービート”のトラックを投下。けたたましい炸裂音の花火が弾け、ファンキー加藤とモン吉の2MCがステージの両翼にそれぞれ広がって、さっそくのシンガロングを煽り立てる。ここまでの規模のオーディエンスをものともしないスケール感と、この上ないとっつき易さは、さすがとしか言い様がない。DJ ケミカルが「アッハーン!」の間の手をハートマーク型の巨大プラカードで指示する親切設計パフォーマンスである。そして“ナツミ”を2曲目に配置。夏の海岸線にピッタリと嵌るナンバーを持って来てくれるのが心憎い。「大勢、大勢、人が入るぞー! 俺たち、ロッキンなグループじゃないけどいいのか!? なぜROCK IN JAPANに呼ばれたのか自分でもよく分かってない、FUNKY MONKEY BABYSです!! でも、意外と受け入れて貰えて嬉しいです! ROCK IN JAPANに出られたことは、俺たちの中で一生の誇りになっています!」と息を切らしながら告げる加藤。今度は8/29リリースのニュー・シングル曲“LIFE IS A PARTY”のシンセ音が飛び交うアップリフティングなトラックを繰り出し、DJ卓に収まっている時間が短いDJケミカルもオーディエンスの一斉ジャンプを煽る。そこから一転、ストリングスと一緒に流麗なメロディが公園の潮風に乗るヒット・ナンバー“告白”が繰り出され、モン吉の歌うパートも無数のオーディエンスをしっかりと掴まえてしまうのだった。ピアノのイントロからセツナ系ラップ・ソングが続く“あとひとつ”に至っては、いよいよ現代日本トップ・クラスのヒット・メイカーの面目躍如といったところだろうか、伸びやかに広がるコーラスに、フィールド一面、掌が高くかざされる光景は壮観そのもの。「FUNKY MONKEY BABYSの楽曲の中で、一番激しいやつ、やるから! DJケミカルは、DJブースに一度もいないから!」と加藤。公約通りに極めてアップリフティングな“メロディーライン”が繰り出され、タンクトップ(胸には「渋谷陽一」と手書きしてある)+デニムのショート・パンツ姿になったDJケミカルは、前線で加藤に乳首をいじられたりしている。好き勝手にオーディエンスの跳ね上がるフィールドではもうもうと砂塵が巻き上がり、“悲しみなんて笑い飛ばせ”では頭上でタオル回しも敢行されて凄い光景だ。「GRASS STAGEにこんなに集まって貰えるなんて、本当に思ってませんでした! ありがとうございます! 集まってくれた皆さんのために、全身全霊を込めて歌います!! 知っていたら、一緒に歌ってください!!」と、最後の一曲は“ちっぽけな勇気”だ。終盤で歌詞をまくしたてるように反芻し、オーディエンスに拳を掲げさせ、「その拳の中には、無限の可能性が詰まっていることを、忘れないでください!!」と言い放つ加藤の声は強く熱を帯びる。DJケミカルは、ステージの床に頭を擦りつけんばかりの勢いで、フィールドに向かって礼をしていた。これが、FUNKY MONKEY BABYSの「本気」だ。(小池宏和)