今日のグドモとでんぱ組.inc


今日はクアトロで、グッドモーニングアメリカとでんぱ組.incのツーマンライヴ。

たなしんの気合いが天井知らずというか、底抜けというか、えらいことになっていたことは言うまでもなく、グドモはまさに右肩上がりというよりほかないパフォーマンスを見せてくれた。
シーン自体に吹く追い風と4人が曲に込めるポジティヴィティが完璧に合致し、さらに元来のシュアな演奏がそこに安定した「場」を作りだす。
グドモのライヴには不思議なスピード感があるが、あれはきっと安心して開かれたマインドに飛び込んでくる素っ裸のポジティヴィティが、ちょっとしたハレーションを起こすからなんじゃなかろうか。
言うまでもなく、彼らの歴史があのまっすぐなポジティヴィティに「裏付け」と「物語」を与えている。
若手バンドが同じことを歌って、同じライヴをやってももちろん盛り上がるだろうが、この感動と余韻はきっとおそらく、ない。

アイドルのライヴが楽しいのは、というか、アイドルが作り出す場に、自分が主体として「いられる」のもやはり、毎回変わりがないはずのオケと、作家が作り、そのラインをなぞったものとしての歌に、そんな理屈とは次元の違う、固有の「裏付け」があるからなのだと思う。
職業柄どうしても作り手のマインドやギミックに根差した解釈をしたくなるが、ポップミュージックはやはり、目の前で肉体を持って歌を歌い、音符の連続にフィジカルを与える「伝え手」のものだ。
逆に言えば、その伝え手のフィジカルと固有の裏付けが、優秀な作家をして、そのアイドルにしか歌えないメロディを作らせるのだと思う。

素晴らしい一夜だった。楽しかった。たなしんも楽しそうであった。
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