NY TIMES一面が書く日本経済のどん底……。


NY TIMES日曜版の一面に日本経済の衰退……どころかどん底ぶりについて紹介されています。私、経済のことはほとんどわからないので……という非常に無責任にスタンスですが、この記事があまりにざくざく直球で書かれているので、そのまま要約してみます。日本のみなさんいかがでしょうか?NY TIMES簡単に書き過ぎだよ、という反論お待ちしております。

最初に、この記事の一番の目的は、日本は大変だ、ということではなくて、つまり、アメリカ、ヨーロッパが現在経済不況で苦しんでいる中、日本みたいになるのだけはやばい、ということです。バブルが崩壊した後、もう何十年も経済的に立ち直れなくて、デフレを起こしているというこの現象を、”Japanification”と呼ぶらしいです。

80年代、90年代、日本の中産階級の人たちの暮らしぶりは、世界中の人たちがうらやむ贅沢さだった。海外に行って買い物をしたり、中古の外車に乗ったりということが当たり前に行われていた。しかしバブル崩壊の後長期にわたる経済不況のため、元々はアジア初のサクセスストーリーで、1991年には、2010年までには、アメリカの経済を超し世界最大の経済大国になると予想され、誰もが恐れる存在だった日本は、現在では、経済界でその存在に注目する人はほとんどいなくなってしまった。実際現在中国が日本を越して、世界第2位の経済大国になってしまったわけだし。これまでアメリカの大学の日本語クラスはパンパンだったのに、今では空っぽになってしまった。

日本の不動産価値は1983年と同じままで、日本政府の負債は世界一で、国内総生産の200%に。人口は減り、貧困率と自殺率が上がっている。

しかしこの経済不況で最大の問題は、日本の自信喪失だ。たった20年前までアジア最初の経済大国としての野心や誇りがあったのに、それが現在では未来の不安に取って代わり、世界での日本の経済的位置を少しずつ陰らせている。

かつては、パリへ、マンハッタンへと、買い物に出かけた日本の消費者は、現在は不安な未来のために貯蓄の方向へ向かい、ユニクロなどのディスカウトブランドで買い物することが主流となっている。

さらに、ここでの最大の問題は、若い世代に与えた影響である。今の日本の若い世代は日本の不況しか知らない。そのため、車やTVなど高価な品物を買うことを拒否し、海外留学なども激減している。

そして、こういう日本の若者の態度は、”草食系”と呼ばれていたりする。一昔前の世代のように、積極的に会社に遅くまで残って仕事することをしなくなったし、または、恋愛にも積極的ではなくなったとも言われている。

あれだけダイナミックな経済大国であった日本の急激な衰退は、今日の世界経済の教訓となるはずだ。

不況のありきたりの言い訳というのは、市場そのものと、買い物を抑えるため現金流出の減少にある。が、日本の場合は、ほとんど一世代にもわたるデフレのため、問題がより根深くなっている。未来への不安からリクスを避け、本能的に投資や出費を避け、すべての価値をどんどん下げていくことだ。

そのため100円ショップなどが増えたり、レストランでは50円でビールを出したり、6万円で結婚式ができるようになったりしている。高級クラブ、バーなどの数も激減。高級志向のものはどんどん消えている。

という何年もの苦悩の後、ようやく日本は目が覚めたのか、去年有権者は自由民主党を倒した。が、多くの日本人にとっては、それは時既に遅し、だった。なぜなら、その時までには、かつては日本では当たり前だった、定職を持つことや、高い生活水準を持つことをまるで信じなくなった、ひとつの若い世代をすでに作りあげてしまったからだ。

24歳のYUKARI HAGAKI さんの知る日本の経済状況と言えば、給料も物の値段も永遠に下がり続けることのみ。だから可能な限り貯金をし、洋服はディスカウントストアで購入。お弁当を持参し、海外旅行は控える。彼女曰く、それでも生活は心地良いものの、常に最悪の事態に備えている気分である、と。「私たちは、SURVIVAL GENERATIONだと思う」と、家具屋さんでパートタイムで働くHAGAKIさんは答えている。

Japan Consumer Marketing Research Institution 社長のHISAKAZU MATSUDAさんは、この20代を、消費嫌いと呼んでいる。彼らが60代になる頃までには、日本の経済は、4200億ドルの損失をするだろう。「こういう世代は、他のどこの国にも見当たらない。消費することをバカげていると思っている」と。

そのため、サバイバルをかけて例えば不動産業などでは、持ち家のローンの支払いを一旦破産宣告して売りに出し、親戚が買うということにして、より低いローンを組むという方法などを提案したりしている。つまりところ、新しいものを買う代わりに、すでにある物を売り、経費を削減する、という方法しかできない、ということ。

慶応大学の経済学者SHUMPEI TAKEMORI氏は、「クリエティブな打破が、単に破壊的な破綻へとって代わってしまったのです」。


という記事の終わり方です。日曜日の朝から思い切り暗い気分で、しかし仕事頑張ろうと思いました。
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