【今月の気になるあいつ】 ブリー
2013年にナッシュビルで結成されたアリシア・ボグナノによるバンド。メンバーの脱退を経て、現在はアリシアのソロプロジェクト体制となっている。90sオルタナティブロックへの愛に満ちたグランジサウンドが持ち味。2023年6月にリリースされた4thアルバム『ラッキー・フォー・ユー』は、大きな評判をよび、各誌年間ベストにもランクイン。現在発売中のロッキング・オン3月号では、「気になるあいつ」にてブリーを掲載しています。本記事の一部をご紹介。
昨年リリースされたオリヴィア・ロドリゴ『ガッツ』に顕著なように、90sグランジ/オルタナティブを想起させるサウンドはインディにとどまらず、今や若手アーティストたちの大きなトレンドのひとつとなっている。その潮流の中では昨年ブロンドシェル『ブロンドシェル』とブリー『ラッキー・フォー・ユー』の2作が特に際立った輝きを放ち、2023年の各メディアのアルバムオブザイヤーでも上位に選出された。
本稿で取り上げるブリーの中心人物、ドイツ生まれで幼少期をミネソタ州で過ごしたアリシア・ボグナノ(Vo/G)は、ミドル・テネシー州立大学でオーディオレコーディングを専攻し、シカゴにあるスティーヴ・アルビニのスタジオでインターンシップとして学び、その後に移り住んだナッシュビルで当時ボーイフレンドだったスチュワート・コープランド(Dr)(※ザ・ポリスのメンバーと同姓同名だが別人)とリース・ラザラス(B)とともに2013年にバンドを結成する。
バンド名の由来についてアリシアは「“Bully(いじめっ子)”という曲を書いたことがあって、それが由来。安っぽく聞こえるかもしれないけれど、自分自身が抱える問題、自分自身のいじめっ子に打ち勝つことについての歌」と明かしている。
2013年10月にはセルフタイトルのデビューEPを自主リリースし、2014年、バンド初となるシングル“Milkman”を発表。「インディロックというより、グランジという言葉が好きなんだ」と語るように、ロウでエッジの立ったギターサウンドには確かにリアルなグランジの香りがあり、フックに満ちたキャッチーなメロディセンスからはブリーダーズを想起させる。
彼らの噂は瞬く間に口コミで広がり、当時のUSインディシーンの先鋒であるクラウド・ナッシングスやベスト・コーストらのオープニングアクトに起用され注目が集まると、コロムビア・レコード傘下のStartime Internationalと契約を交わすこととなる。
(以下、本誌記事へ続く)
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