デヴィッド・バーン、7年ぶりの新作『フー・イズ・ザ・スカイ?』が問いかけるものとは?――時代を越え続ける孤高の軌跡


現在発売中のロッキング・オン10月号では、デヴィッド・バーンのソロキャリア論考&新作レビューを掲載!
以下、本インタビューの冒頭部分より。



文=坂本麻里子

先頃“サイコ・キラー”の初公式MVを発表し、ライブハウスデビュー50周年を祝ったトーキング・ヘッズ。バンドの起源にしてデヴィッド・バーンのソングライター/シンガーとしての始点と言える曲だが、その半世紀の中で彼のソロキャリアは実に多様な成長発展を遂げてきた。

課外活動志向の萌芽は早かった。これは部分的に、彼が伝統的なバンドマンではなく独学ミュージシャンであり、現代芸術(ミニマリズム、コンセプチュアル/パフォーマンス/ビデオ等の諸アート)の多孔質でポストモダンな気風を浴びたアーティストだったからだろう。意気投合したのが同様の背景を持つブライアン・イーノで、ヘッズの傑作『フィア・オブ・ミュージック』(79)と『リメイン・イン・ライト』(80)の間に両者は連名作『ブッシュ・オブ・ゴースツ』(81)に取り組んだ(彼らは08年の『エヴリシング・ザット・ハプンズ・ウィル・ハプン・トゥデイ』、18年の『アメリカン・ユートピア』でも恊働)。「空想上の文明」の音楽をテーマにダブやヒップホップの手法を活用しラジオ音声を大胆にサンプリングしたこの前衛作品は、その後のダンス/エレクトロニック音楽に影響した。舞踏家トワイラ・サープとの共作『キャサリン・ホウィール(回転花火)』(81)でプログレ×ファンク、フィリップ・グラスの前衛オペラ『浜辺のアインシュタイン』で名を馳せた演出家ロバート・ウィルソンの大作『The CIVIL warS』向けの『ミュージック・フォー・ザ・ニー・プレイズ』(85)でニューオーリンズ風ジャズと音楽語彙を広げつつ、バーンはダンスや壮大な舞台劇から霊感を吸収。名作『ストップ・メイキング・センス』(84)に克明に記録された9人編成「拡大版ヘッズ」の野心的で画期的なパフォーマンスはその集大成と言えるし、『トゥルー・ストーリーズ』(86)で総合芸術=映画の監督(兼脚本・出演)にも初挑戦。米『タイム』誌の表紙を飾った彼は「ロックのルネサンス人」の称号を捧げられるに至った。

(以下、本誌記事へ続く)



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