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 開演前から、早くもその爆音ギター&マイクのチューニング音に度肝を抜かれてしまった。まるで、これから起きる出来事に身体を馴染ませるためのウォーミングアップ時間みたいだ。マッド・カプセル・マーケッツ。ロッキング・オンのイヴェントに彼らが初めて出てくれることになった今夜。その幕がいよいよ明けようとしている。
 ライトの点滅と共に場内は凄まじい怒号に包まれる。やっぱり皆もこの瞬間を待っていたのだ。そしてそのオーディエンスの怒号を粉砕する爆音で“RETALK”がスタート!そして2曲目にして早くもアンセム“SCARY”だ。弾かれたように一斉にフロアが沸騰する。凄い! 全編に亙って鼓膜が破裂しそうな爆音なのだけど、その爆音を如何様にもドライヴさせるリズムの俊敏さ、ブンブンうねる鋼鉄ワイヤーのごときしなやかなリフによって、「デカいのに重くない」サウンドが生まれる。中盤の鉄火場になった“クラッカー!”や“OUT/DIFINISON”はその最たるナンバーだろう。
「さぁーみんながいい感じになってきたところで! もっとこの曲でハッピーになろうぜ!」。そんなKYONOのMCに続くのは極上のメロディック・ハードコア・ナンバー“ISLAND”! 滅茶苦茶暴力的な音なのに、同時に隣の奴と肩組みたくなるような、えらくジョイフルな気分にさせられてしまった。“GOOD GIRL”から最終曲“PULSE”への流れに至ってはもう、口をアングリ開けたまま頭振りまくるしかなかない。辺りを見渡せば最高の汗と最高の笑顔で塗れたオーディエンスの渦。海外フェス百戦錬磨のマッドがその本領を見せつけてくれた。(粉川しの)

1 RETALK
2 SCARY
3 クラッカー!!!
4 W.O.R.L.D
5 CHAOS STEP
6 JAM!
7 OUT/DEFINITION
8 BIT CRUSHERRR
9 ISLAND
10 GOOD GIRL
11 MIDI SURF
12 PULSE