Salyuの圧倒的な歌声に酔いしれたGALAXYの祝祭空間が、あっという間に怒涛の郷愁空間に変わった。そう、LOST IN TIMEの登場だ。1曲目“ヒカリ”で一気にステージを支配する存在感! かつての荒削りで心許ない佇まいは跡形もなく消え、僕らをがっちり包みにかかってくる。すげえ。海北の言葉には否応なく人を涙させるヴァイブが詰まってるし、だからこそ「信じ合った日々を僕は忘れない」(“手紙”)とちぎれそうに歌う彼の姿は果てしなくロックだ。最後は“昨日の事”。「さあ夜が来る 君にさよなら」――残り僅かな2004年に贈る最高のナンバーだ。
続いてはバックホーン。「生き物」としての人間の赤黒い真実を鷲掴みにしてきた彼ら。その意思に応えるべく差し出された無数の拳が熱気の中で揺れている。“幾千光年の孤独”“カラビンカ”と、GALAXYを今度は真紅に染め上げてみせる。それにしてもこの人たちの奏でるメロディーは、どの曲も天国へ真っ逆さまに墜ちていくような恐怖と快楽を秘めている。1月リリースの新曲“キズナソング”は、嫌というほど人間の暗黒と向き合った彼らが歌うからこそ、「ありふれた小さな絆でいい」というフレーズが強く、温かく響く名曲だ。最後の“光の結晶”まで7曲。世界の果てから「次」への扉を開けるアクトだった。そして。
山口隆の死ぬほど素敵な汗まみれの顔を年越しカウントダウンの主役に選んだ観客がGALAXYに詰め掛け――23:40。照明が落ち、いよいよサンボマスター登場!! 1曲目“愛しき日々”からはちきれっ放しのロックに頭ぶん殴られる快感!! 「今日のライヴは伝説になるんですよ!! あなたがたが伝説にするんですよ!!」と叩き出した2004年ラスト・ナンバーは“そのぬくもりに用がある”!! そうだよ僕らは今年あんたたちの振りまく熱量と山口の傍若無人なロック・シンガーっぷりにとても用があったんだよ。最後の60秒をホール全体で祝い倒し――号砲!! 2005年の幕開け!!と覚めやらない会場の熱気を“朝”でほっくり受け止めた後「俺たちがくだらない音楽やったらすぐ俺たちを潰してくれよな!!」と自爆寸前のロックへの愛を曝け出しつつ“青春狂騒曲”“夜汽車でやってきたアイツ”“月に咲く花のようになるの”と名曲連発。「最後にもう1曲やらせてください!!」と再び“そのぬくもり~”をやり出す頃には山口の顔はぐしゃぐしゃで最高なことになっている。「ロックンロールは俺たちのもんだああ!!」。そうだ。ここから2005年のロックは始まるんだ。そして残り4アクト!!(高橋智樹)
LOST IN TIME |
THE BACK HORN |
サンボマスター |
1 ヒカリ 2 列車 3 秘密 4 手紙 5 柊 6 呼吸 7 昨日の事 |
1 幾千光年の孤独 2 カラビンカ 3 コバルトブルー 4 夢の花 5 キズナソング 6 サニー 7 光の結晶 |
1 愛しき日々 2 さよならベイビー 3 美しき人間の日々 4 そのぬくもりに用がある (カウントダウン) 5 朝 |
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