人、人、人で埋め尽くされたGALAXY STAGEのヴィジョンに「THE BACK HORN」という文字が現れた瞬間、フロアからは怒号と嬌声が入り混じったような大歓声があがる。 そして一足早く現れた菅波、岡峰、松田による轟音のセッションが会場に鳴り響く中、ステージ袖から山田が登場! 「こんばんは。THE BACK HORNです」と言って“雷電”へ。山田の読経のようなヴォーカルのうねりがGALAXY STAGEを完全に包みこんだ頃、いきなり菅波の重音ギター・リフがものすごい勢いで大爆発を起こす。そこに畳み掛けるように山田の絶叫ヴォーカルがかぶさって、フロアの熱狂はどこまでもその苛烈さを増していく。“ゲーム”の後の“声”では、モニターに足をかけながら山田が絶唱。息もつかせぬハイスピードな曲展開に、幾多もの拳が天高く突き上がる! オーディエンスの大ジャンプでGALAXY STAGE全体が揺れる中、松田は機関銃ドラムを叩き込み、菅波はステージの端に移動して鋭いギター・フレーズをビシビシとフロアに突き刺していく。メンバーが髪を振り乱しながら、魂をむきだしにしながら、やりきれないこの世界の混沌や闇や矛盾を暴き続けるかのような赤黒いロックンロールをぶん回していく怒涛の前半戦を終えて、松田のMC。「今年はとても充実した1年でした! 来年もシンプルにいい曲を作っていい曲を演っていきたいと思います! 今年もあと5時間で終わりですけど、この5時間のうちに忘れたいことはどんどん忘れていただいて、最後まで楽しんで帰っていってください!」という言葉から後半戦へ突入。その1曲目は“初めての呼吸で”。山田はマイクスタンドを両手で握り締めて鬼気迫るヴォーカリゼーションを見せ、菅波は落涙必至の泣きのギターでこれでもかというほど激しくエモーションを爆発させる。そして、壮大なイントロから突入した“閉ざされた世界”での切迫感に満ちたグルーヴで、フロアの熱気を予測不能なまでにぶち上げる。次の“コバルトブルー”では、岡峰が地面を這いずり回るような極太ベースを繰り出し、曲の終わりには菅波がギターを高く掲げながらダイナミックなギター・ソロを披露。そして、2010年のTHE BACK HORNを締めくくるラスト・ナンバーとして演奏されたのは “戦う君よ”。不安や自分、そして社会と闘う全ての人への讃歌となる爆音のアンサンブルをフロアに向けてぶちかまし、ラストは山田が《晴れ渡る あの空を目指していけ!》と、腕を振り上げて今年最後の大絶叫! メンバーは「来年もよろしく! THE BACK HORNでした!」と、堂々とした足取りでGALAXY STAGEを後にしていった。(前島耕)
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