さあ、泣いても笑っても、決定的瞬間は今や目前。今回のGALAXY STAGEでカウントダウンのパフォーマンスを担うのは、この男達。「こんばんは、THE BACK HORNです!」とシンプルな挨拶を経て、まずは菅波栄純(G)の裏打ちカッティングが跳ねる“サニー”で「あのときの気持ち」を抱えたままひた走る。続く“声”で、客席からのコールを全身で受け止めるのは山田将司(Vo)である。“シリウス”ではそのエモーショナルな物語性を、ときに深く身を屈めた姿勢でプレイする岡峰光舟(B)のベースが支えていた。「今年も残すところほんのちょっとの時間になったということで、THE BACK HORNにとって今年最後のライヴと、2014年最初のライヴを、皆さんと一緒に、素晴らしいカウントダウンにしたいと思います!」とMCで語ったのは松田晋二(Dr)。2013年、結成15周年の活動の充実ぶりについても振り返りながら、「良い音楽を、今年中に、皆さんと分かち合いたいと思います!」と、意気込みを迸らせるのだった。 そして披露されるのは、命というテーマに向き合い続けてきた彼らだからこそ掴むことの出来た至高の美曲“世界中に花束を”だ。そのエネルギーがあたたかくフロアに降り注ぐ。「誇りだけは、失わず生きてこうぜ」と山田が告げて、流麗な、というよりもタフに生き抜く形そのもののメロディで最新シングル曲“バトルイマ”が投げ掛けられる。今この場所こそが《バトルフィールド イン ジャパン》の真ん中だ。「いやー最高だ! なんか嫌なこととかさあ、全部置いてっちめえよ!!」と山田は次々に客席に向かって語りかけ、楽しそうにアンサンブルに身を預けながら“涙がこぼれたら”を歌ってゆく。「今年最後の曲になりそうだー」と“無限の荒野”の荒馬の如き爆走でオーディエンスを沸騰させると、スクリーン上のカウントダウンは丁度2014年到来の1分前である。
「2014年、音楽で、素晴らしい世の中にしていきたいと思います!」とマツが抱負を告げ喝采を浴びたところで、いよいよ15秒前、決定的な瞬間がやってくる……8、7、6、5、4、3、2、1、ゼロ! 「新年おめでとうー!!」 リボンキャノンが放たれ、嬌声に満たされるGALAXY STAGE。「新年1発目!」と勢い良く転がり出した“刃”では、新年も変わらずファイティング・ポーズで新たな一歩を踏み出すTHE BACK HORNとオーディエンスの姿があった。「今年もよろしくね! 今年が皆さんにとって良い1年でありますように!」と汗まみれの笑顔で山田が告げると、雄々しく荒ぶりながらも笑顔と歌声を伝播させる“コバルトブルー”で完璧なフィニッシュだ。「みんな、いい1年にしようなあ! また会おうぜ!!」と、まさにこれからの1年に新たな火が灯される、THE BACK HORNのカウントダウンであった。(小池宏和)
この4日間の模様を凝縮した別冊付録を、「ROCKIN'ON JAPAN3月号(1/30発売)」に封入! 全ライヴ・アクトのセットリストは、そちらに掲載されます。