昨年はCOSMO STAGEを沸かせてくれたクリープハイプが、飛躍の一年を経て「COUNTDOWN JAPAN」最大規模のEARTH STAGEに立つ。古くからのリスナーとしては少なからぬ感慨を覚えずにはいられない光景だ。「……行ける？」と開口一番に尾崎世界観（Vo・G）が問いかければ熱烈なレスポンスが投げ返され、「じゃあ、行きましょう！」と“イノチミジカシコイセヨオトメ”からアッパーにスタート！　繊細かつ伸びやかな、あの独特のハイトーン・ヴォイスがEARTHいっぱいに響き渡り、観衆も諸手を挙げてヒートアップ。「去年さ、COSMO STAGEってとこで、2年連続同じとこでなんか腹立つなと思って（笑）。でも、今年はいちばんデカいとこです。ここまで連れてきてくれて、ホントありがとうございます。今日は代わりに連れてきます。どこがいいって？　そんなの決まってるでしょ……あの“オレンジ”の先へ！」と尾崎が叫んで早くもバンドきってのアンセム投下！　即座にフロアは大合唱。EARTH STAGEもろとも絶頂の先へと駆け上がっていく。続けて「大ヒットシングルを――」と“おやすみ泣き声、さよなら歌姫”、さらに「寒い？　ぴったりな歌があるんですけど……」と語って“ラブホテル”を矢継ぎ早にプレイ。ステージ後方で小泉拓（Dr）は躍動的なビートを響かせ、尾崎の両サイドで長谷川カオナシ（B）と小川幸慈（G）は身体を揺らしてエモーショナルに熱演……そんな堂々たるアンサンブルが万単位のオーディエンスを揺らすさまは本当に圧巻だ。

「見せてあげたいくらいすごい景色だよ。心からバンドやっててよかったと思ってます。こんな気持ちになったの、お前らのせいだよ！」と尾崎も感無量の様子で、中盤以降も“憂、燦々”、“HE IS MINE”と万感の気持ちを込めた熱演でフロアを沸かせていく。オーディエンスと歓喜を分かちあうように、カオナシと小川はステージの両翼に歩み出て“ウワノソラ”を掻き鳴らし、「最後です！」と尾崎がギターストロークを響かせて最終曲“社会の窓”へ――。吐き出されるフラストレーションは《愛してる　今を愛してる》と鮮やかにネガポジ反転され、まるでひとつの生命体となったようにオーディエンスは一斉にジャンプ……広大なフィールドを輝くような歓喜で満たした、会心のアクト！（奥村明裕）