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EARTH STAGEもいよいよあと3アクトを残すのみ。メンバー本人によるサウンドチェックの段階から、メッセ狭しと伸びやかな歌と力強いアンサンブルを響かせていたthe HIATUS、5年連続でEARTH STAGEに登場! 細美武士(Vo・G)、masasucks(G)、ウエノコウジ(B)、伊澤一葉(Key)、柏倉隆史(Dr)の5人を待ち受ける満場の大歓声のエネルギーを、そのまま“The Flare”の燃え盛るサウンドのダイナミズムへと直結させて、高らかなシンガロングを呼び起こしてみせる。1stアルバム『Trash We'd Love』&2nd『ANOMALY』のエッジ感に満ちたサウンドから、3rd『A World Of Pandemonium』で聴かせたアコースティックな質感のサウンドスケープまで、これまでの歩みをもっとも研ぎ澄まされたサウンドで提示しつつ、最新EP『Horse Riding EP』の楽曲も盛り込んで、常に進化し続けるthe HIATUSという音楽集団の「今」をリアルに浮かび上がらせていく、実に意欲的なステージだ。

「まずは、2013年を無事に生き延びられたことを感謝します。ありがとう!」。熱気あふれるフロアに向けて、細美が語りかける。「辛いことは来年も続いていく。でも、探せばきっといい思い出があるはず。このステージが、そんな思い出の一個になるように願ってます」。そんな細美の言葉とともに、今この瞬間をthe HIATUSと共有していることの感激が、じっくりと心に染み込んでくる。特に、細美のアコギとmasasucksのレスポール、伊澤のピアノが鮮烈な音のタペストリーを描き出していた“Bittersweet / Hatching Mayflies”をはじめ『A World Of Pandemonium』の精緻にして豊潤な楽曲群は、リリースから2年の間にバンドの中で完全に血肉化され、しなやかな音の肉体美を描き出していることを、この日鳴らされた楽曲のひとつひとつが雄弁に物語っていた。そして、“Horse Riding”。伊澤のピアノと柏倉のドラムがリードする弾み回るビート以上に、どこまでも高く強く伸び上がるメロディを歌い上げる細美の歌が、最高の祝祭感をもって、EARTH STAGEの隅々にまで広がっていく。

途中、自らモニタースピーカーやマイクスタンドをステージの前方ぎりぎりまで運び、できる限りオーディエンスの近くへと迫って「後ろのほうにいるやつらにも、気持ちをもって接したい!」と呼びかけていた細美。「今年、最後まで盛り上がって。よいお年を!」というコールに導かれて最後に演奏したのは、『Horse Riding EP』から“Waiting For The Sun”。シンセ音が刻むリズムに、ウエノ&柏倉のビートがしなやかなうねりを与え、masasucksのスペイシーなギターが幻想的な輝きを描き出していく。そして、細美の歌に応えて熱風のようなコール&レスポンスが湧き上がり、EARTH STAGEを包んでいく……「マンウィズは東北ライブハウス大作戦の大事な仲間です。『最後まで観ていってもいい』という人は観てください!」。細美の去り際の言葉に、惜しみない拍手が響き渡っていた。さあ、カウントダウンの瞬間はもう目前!(高橋智樹)




この4日間の模様を凝縮した別冊付録を、「ROCKIN'ON JAPAN3月号(1/30発売)」に封入! 全ライヴ・アクトのセットリストは、そちらに掲載されます。
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