スターが幕張メッセに帰ってきた!――2012年4月に解散したDOPING PANDA。そのフロントマン・フルカワユタカが、11月13日の1stソロ・アルバム『emotion』リリースを機に、4年ぶりにCDJのステージに立つのだ。その復活を見届けようと、期待をもってオーディエンスが詰めかけたMOON STAGE。そこへトランシーなSEに乗って、スターことフルカワユタカが降臨! スポットライトを一身に浴びて“farewell”を弾き語ると、《止められないさ 誰にも僕の 胸の鼓動と体の火照りと だけど何故だろう君の前では 裸になって 少し迷って》という剥き出しの歌に「イエー!」というフロアの合いの手が入れられる。曲後半をバックバンドと共にダイナミックに解き放った後は、“Beast”“punish me,hold me”とダンス・ナンバーを連投。スターは「帰ってきたぞー!」「お前ら待たせたな!」などと叫びながらフロアのハンドウェーブとクラップを煽っていく。新井弘毅(G/serial TV drama)、村田シゲ(B/CUBISMO GRAFICO FIVE)、カディオ(Dr/QUATTRO)という腕利き揃いのメンバーとともに鳴らす盤石のサウンドはさることながら、ドーパンを彷彿とさせる、恍惚とスリルがせめぎ合うダンス空間が築かれていることが、何よりも嬉しい。
MEGへ楽曲提供した“love emotion”をどっしりと響かせた後は、ファンキーなジャムセッションが炸裂。スターと新井が向き合ってのソロ・リレーでフロアを沸かせつつ、タイトかつ複雑なアンサンブルを軽やかに乗りこなす“give me your love”へと繋げて客席からのコールを誘引する。そして 《あの丘の向こう側を 確かめてみたいのさ》と歌う“too young to die”で希望に溢れた未来を見据えてみせて、あっという間の終幕。やはり久しぶりのステージ、スターらしさを封印した真摯なアクトだったなぁと思いきや、「俺は誰だ?」「アイアム、ロックスター!」と最後に一言。さらに1月13日の『emotion』リリース・パーティーの告知から「お前らすぐ俺に会いたくなっちゃうだろうから、今日チケット買って帰ってください」――そのビッグマウスぶりも含めて、華麗な帰還劇を見せてくれたフルカワユタカに最大級の拍手を送りたい。(齋藤美穂)
この4日間の模様を凝縮した別冊付録を、「ROCKIN'ON JAPAN3月号(1/30発売)」に封入! 全ライヴ・アクトのセットリストは、そちらに掲載されます。