2012年末に結成し、2013年は精力的なライヴ活動やアルバム『SAD MARATHON WITH VOMITING BLOOD』のリリースと、シーンに大きく踏み出した年となったTHE STARBEMS。そして2014年、『ウルトラセブン』のゴージャスなインスト・テーマ曲に乗って登場すると、ダカさん(日高央・Vo)が東北ライブハウス大作戦のタオルを広げながら「会いたかったぞ、マクハリー!!」と告げて、“THE CRACKIN'”からパフォーマンスをスタートさせる。変わらず雄々しさ満点の爆音とハーモニー・ワークが荒れ狂い、“ARE U SURE?”ではスクリームを掻いくぐるようにしなやかでキャッチーな歌メロが飛び込んでくる。そしてなんと言ってもこのスピード感と爆発力、触れれば一発で分かる、それがベムズのライヴである。「ハッピー・ニューイヤー! このCOUNTDOWN JAPANで、新年一発目に集まっていただいてありがとうございます!」と挨拶し、自身の地元・千葉県出身者のオーディエンスを気に掛けているダカさん。「でも、45歳のイヤラシいおじさんは、千葉県以外の出身者もウェルカムです! ロックに際限はない! パンクにも際限はない!」と語ってみせる。
“MAXIMUM ROCK'N'ROLL”から“HUMAN RIGHTS”にかけては、更に爆音&超速の展開。エモーショナルなハーモニーの広がりが見事だった新曲“GEKIJOE”を経ると、「去年はいろいろあったけどさ、今年は健康に楽しむぞ! 次の曲は 俺が歌ってもいいですか?」と菊池篤(G)。コール&レスポンスを巻き起こして“FUCKIN' IN THE AIR”を熱唱である。“WISE BLOOD”で刺激的かつユニークなサウンドを持ち込んでいるのは、西くんこと越川和磨(G)だ。そして……「2013年も、たくさんの仲間が死んだぞー! 俺の先輩も死んだぞー! お前ら、諦めるのかー! 2014年は、誰も死なせねえぞ!!」とダカさんが絶叫して披露されるのは、来るbloodthirsty butchersトリビュート盤(1月29日リリース予定)にも収録された“ギタリストを殺さないで”のカヴァー。吉村秀樹のハードコア・スピリットに全身全霊の愛と敬意を手向けるような大熱演。その思いを“FORGIVENESS”、“DESTINY”へと繋ぎ、新年を迎えても老いさらばえることを拒否した男達は、その矜持を音でもって鳴らしていた。(小池宏和)
この4日間の模様を凝縮した別冊付録を、「ROCKIN'ON JAPAN3月号(1/30発売)」に封入! 全ライヴ・アクトのセットリストは、そちらに掲載されます。