ヘヴィなギターリフが唸りを上げる“虫の勾配”からCOSMO STAGEを真っ赤な衝動で染め上げたのは、2年ぶりのCOUNTDOWN JAPAN出演となる藍坊主だ。田中ユウイチ(G)がステージ最前列に歩み出てオーディエンスを煽り、右肩上がりに熱狂値が高まるなか、「今年最後だ! 悔いのないように楽しんでくれ!!」と藤森真一(B)がシャウトとチョッパーベースを響かせて“サンダー”へ。アコースティック・ギターを織り交ぜた激しくも清冽なアンサンブルが客席をみるみるひとつに繋いでいく。さらに「2013年から2014年に……“ハローグッバイ”」と田中が告げてそのイントロが奏でられるとオイコールが沸き起こり、さらにhozzy(Vo・G)の「いくぞ、JAPAN!」のシャウトから息つく間もなく“ジムノペディック”へ。≪この世界がひび割れてしまわないように、笑ってくれよ≫という切実なメロディラインと呼応するようにフロアには熱烈なコブシが振り上げられ、一体感はもう最高潮!
終盤まで全速力で突っ走ったがゆえに(とりわけ“ジムノペディック”アウトロのパフォーマンスは鮮烈だった)、「髪もボサボサだぜ!(笑)」とhozzy。そして、「最後までイベント楽しんで! 本当にどうもありがとうございました!」と丁寧に感謝を告げて、最終曲“ホタル”で再びフロアはヒートアップ。シンフォニックなバンド・サウンドとファルセットを交えたhozzyの伸びやかなヴォーカルが心地よく場内に響き渡り、終盤にはフロント3人が舞台ギリギリまで歩み出てオーディエンスと交歓――。来年メジャーデビュー10周年迎えるバンドの成熟と尽きない衝動性を感じさせる、掛け値なしの快演だった。来年2月からの、最新作『S/Normally』リリースツアー(「aobozu TOUR 2014 ~すっかり羽と化している~」)も期待大!(奥村明裕)
この4日間の模様を凝縮した別冊付録を、「ROCKIN'ON JAPAN3月号(1/30発売)」に封入! 全ライヴ・アクトのセットリストは、そちらに掲載されます。