メンバーが相次いで脱退、そして新たに3人が加わった新体制でリスタートを切り、話題のシングルを連発するなど、2013年は怒濤の年となったBiS。このステージに相当気合いが入っていることは、1曲目に据えた“STUPiG”からも明らか。凶暴なデジタルビートによるハードコア・サウンドで疾走するこの曲は、2014年の第一弾リリースとなる上田剛士(AA=)プロデュース曲! 衝撃性・攻撃性ともに抜群なサウンドと、アイドルでありながらアイドル道を逸脱したケモノ道をひた走るBiSという存在が、がっちり組み合っている。アグレッシヴにステージをかけまわり、観客の野太い声援を全身で受けながら、次も極上のパンク・ナンバー“BiSimulation”(THE STARBEMS日高央作曲)。すでにフロアの温度はクライマックス状態だが、6人はよりエモーショナルに、また観客に檄を飛ばすようにして、その熱狂に突っ込んで行く。
コショージメグミ、テンテンコ、カミヤサキ、ファーストサマーウイカ、ヒラノノゾミ、そしてプー・ルイの順で改めて自己紹介をすると、3曲目、津田紀昭(KEMURI/THE REDEMPTION)が手掛けたスカ・パンク・チューン“MURA-MURA”へ。そして“Hi”でステージを縦横無尽に走りながら、観客とシンガロングする。“nerve”では、カミヤサキがステージを全力疾走しながらソロ・パートを歌う。多少、歌がブレようが関係ない。観客をむんずと掴んで、左へ右へと跳びはねさせ、恍惚すら覚えるような一体感を生みだすBiSのライヴ。つねにトライを続け、異端であり続けることは、とんでもなくめんどくさいことだし、批判もリスクも背負うだろうけれど、BiSはこのまま、細いロープの上をデコボコの車輪でダイナミックにつっ走るような存在であってほしい。ASTRO ARENAに響くラスト・チューン“Fly”を聴きながらそう思った。(吉羽さおり)
この4日間の模様を凝縮した別冊付録を、「ROCKIN'ON JAPAN3月号(1/30発売)」に封入! 全ライヴ・アクトのセットリストは、そちらに掲載されます。