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この11月にデビューアルバム『SHISHAMO』をリリースし、そして12月6日にはShibuya WWWで初のワンマンライヴを開催するなど、3人にとって飛躍の年になった2013年。今年を締めくくるステージに3人がステージに登場すると、フロアからは大歓声が上がる。“バンドマン”でライヴをスタートすれば、オーディエンスからは大きなハンドクラップが巻き起こる。いつの間にSHISHAMOはMOON STAGEの心を捉えてしまったのだろう。

タイトなバンド・アンサンブルと、宮崎朝子(Vo・G)の歌う乙女心とユーモアが絶妙にブレンドされた歌詞で、フロアのオーディエンスをSHISHAMOの歌世界にぐんぐん引きこんでいく3人。どこにでもいる女の子たちにも見えるが、ロックに懸ける肝の座りっぷりがそのパフォーマンスからありありと伝わる。そんな彼女たちのパフォーマンスに、フロアからはあたたかなハンドクラップと歓声が送られる。聴き手を圧倒するでもなければ、寄り添うわけでもなく、かと言って媚びるようなこともせずに、ただただロック・バンドとしてMOON STAGEに全力で挑むSHISHAMOのたたずまいが頼もしい。続く“サブギターの歌”のように、キュートさやかっこよさの合間に絶妙な歪さがこのバンドには紛れ込んでいて、それが人を観ている私たちを強く惹き付ける。

「幕張! CDJ!」とオーディエンスとのコール&レスポンスをひとしきり行い、「売れてるバンドにしか、こういうのやってくれないのかと思ってたので嬉しいです」と満足そうに笑う宮崎。吉川美冴貴(Dr)は「ライブパワーのバイトを蹴り、今日ここに来ました!」と誇らしげに語り、拍手喝采を受ける。“僕に彼女ができたんだ”で再びフロアをハンドクラップで埋め尽くすと、「SHISHAMOのタオルでも、他のバンドさんのタオルでも、持ってない人は手でもいいので、一緒に回してみませんか!」と松本彩(B)が呼びかけ、“タオル”へ。エッジーなギターサウンドに乗せてオーディエンスのタオルが一斉にくるくると周り、壮観な光景が広がる。ラストは“恋する”で華やかな熱気をフロアに運んだSHISHAMO。MOON STAGEに居合わせたすべてのオーディエンスが恋に落ちてしまう、魔法のような30分だった。(大山貴弘)





この4日間の模様を凝縮した別冊付録を、「ROCKIN'ON JAPAN3月号(1/30発売)」に封入! 全ライヴ・アクトのセットリストは、そちらに掲載されます。
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