SEが流れる中、ステージにスタンバイしたメンバーたち。有田清幸(Dr)のドラムが先陣を切り、スタートした1曲目は“神経町A10街”。ヒリヒリとした音像が高鳴り、純市(B)のベースラインが艶めかしく我々の全身を刺激する。そして、コヤマヒデカズ(Vo・G)の歌声が生々しく鼓膜に突き刺さってくる。一気に観客を異世界へと連れて行ってしまう圧倒的なインパクトのオープニングであった。「COUNTDOWN JAPANへようこそ。Lyu:Lyuです。よろしく!」というコヤマのひとことを挟んで“Seeds”。メランコリックなメロディがスピード感たっぷりに疾走していく。極上の爆音を浴びた人々は夢中になって腕を振り上げながらフロアで踊り始めた。
「10代の頃からこんなことをずっと考えていて、気がついたら幕張まで来ていました」という言葉を添えて“文学少年の憂鬱”。密やかにギターを爪弾くイントロの後、骨太な3ピースサウンドをじっくりと聴かせる展開。息を呑みながら聴き入る観客の集中力がすごい。彼らの演奏の豊かな表現力を噛み締めさせてくれるひと時であった。そんな濃厚なムードを一転させたのが、続く“回転”。パワフルで抜けの良いサウンドが、フロアからステージを見つめる人々の身体をグラグラと揺さぶる。曲の後半では、演奏の熱量は一層エスカレートしていく。
「バンドを始めて5年。ここに立てて嬉しかったです。Lyu:Lyuでした!」とコヤマが挨拶をして、ラストに披露されたのは“心臓”。透明感溢れるメロディをじっくりと聴かせた後、バンド一丸でパワフルなサウンドを全開で放つクライマックスへと転じていく。美しい! 全篇で濃厚なバンドサウンド、美しいメロディをたっぷり届けたLyu:Lyuであった。(田中大)
この4日間の模様を凝縮した別冊付録を、「ROCKIN'ON JAPAN3月号(1/30発売)」に封入! 全ライヴ・アクトのセットリストは、そちらに掲載されます。