直前の電気グルーヴのアクトはまるで空気感こそ違うものの、年末のひとときを心ゆくまで踊り倒したい!というオーディエンスがGALAXY STAGEに次々と詰めかけてくる。そう、珠玉のジャム・バンド4人衆=SPECIAL OTHERS、2年ぶりにここGALAXY STAGEに登場! 芹澤"REMI"優真のエレピのフレーズから“neon”の精緻で豊潤な音のタペストリーへと流れ込むと、満場のオーディエンスがそのフレーズとリズムを全身で謳歌するように身体を揺らしていく――今年6月にはジャム・バンドとしては初の日本武道館ワンマン・ライヴまで成功させたスペアザ。ひときわ雄大なスケール感を増したそのサウンドが、広大な空間に爽快な風を吹かせていく。続いては“PB”。ここまでMCもないままに展開されるインストの楽曲群ながら、言葉以上の密接なコミュニケーションが、オーディエンスと4人の間には生まれているし、静謐の森の奥から高揚の頂へと駆け上がっていくようなスリリングな展開が、フロアをエネルギッシュに躍動させていくのがわかる。
柳下"DAYO"武史のギターと又吉"SEGUN"優也のアップライト・ベースのうねるフレーズから流れ込んだのは、5拍子の音の星座“ORION”。宮原"TOYIN"良太のしなやかなドラムさばきが妖艶なグルーヴを描き出し、宮原/柳下/芹澤の♪ラーララーラララーラーのコーラスに合わせてフロアから歌声が湧き上がって、ミステリアスな音世界に途方もないエネルギーを与えていく。さらにダンス・アンセムと呼ぶべき“AIMS”! 芹澤の軽快なイントロが鳴った瞬間にうわあっと歓喜の声が広がり、タイト&スクエアなビートに合わせてフロアが揺れ、リズムがジャジーにスウィングし始めるとその揺らぎに誰もがゆったり身を委ねていく。
「年末にこういう楽しい行事が恒例であるって最高ですよね? 俺らも何回も出してもらえて……もう、毎回出たい!」と宮原。「さっき小室哲哉さんにも会えたしね。初めて買ったアルバムが(TM NETWORKの)『RAINBOW RAINBOW』でしたって言ったら『早いね!』って(笑)」(宮原)「その頃、俺ら小学生ぐらいだったからね」(芹澤)「良さがわかんなかったんじゃない?って言われたんで、全然わかりました!って伝えました!」(宮原)というメンバーの会話からも、このステージを楽しみきっている充実感が伝わってくる。「2014年もいろいろ楽しいことをやっていく予定なので!」という宮原の言葉とともに鳴り響いた最後の曲は“Laurentech”! フロア一面に手が高々と突き上がり、「Laurentech」の声と満場のクラップが、最高のステージの終わりを熱く彩っていた。(高橋智樹)
この4日間の模様を凝縮した別冊付録を、「ROCKIN'ON JAPAN3月号(1/30発売)」に封入! 全ライヴ・アクトのセットリストは、そちらに掲載されます。