「盛り上がる準備はできてるか? 飛び跳ねる準備はできてるか!?」と開口一番に内澤崇仁(Vo・G)が呼びかけて、万雷のレスポンスが巻き起こるなか“Boohoo”からandropが急発進! ダイナミズムに満ちたバンド・サウンド、そして優しくも芯の強い内澤のハイトーン・ヴォイスが天高く舞うように響きわたる。続けてヘヴィなドラミングから「新曲やります!」と未発表の新曲(!)を投下。8ビートと熱情が疾駆するハードエッジなナンバーがみるみるフロアを沸かせ、場内のヴォルテージは序盤から最高潮に——。ブレイクでは「すげぇ気持ちいい、ありがとう!」と感謝を伝えつつ、「ついこの間シングルを出したんですけど、次はその曲をやりたいと思います」と内澤。「実は4年くらい前にできてて、ずっと封印してた曲です。俺に歌っていう大切なことを教えてくれた人がいて。その姉ちゃんみたいな人が4年前に亡くなってしまって。辛い気持ちを殴り書くように出来たのがこの曲です。みんなのなかにも大切な人がいると思うんだ。その大切な人がいつまでもいると思わないで、この世界は有限だからこそ、大事にしてほしいと思います」と思いの丈を告げて奏でられた“Missing”——。欠落に抗うのではなく、喪失感そのものを慈しむように、バンドは丁寧に音を紡ぎ、祈るような内澤のファルセット・ヴォイスが観る者の心を鷲掴みにしていった。
その後は一転、場内にレーザーがまたたくなか地鳴りのような“World.Words.Lights.”の四つ打ちが鳴り響く。フロアを盛大に波打たせて狂騒的なダンス空間が出現! そのまま“MirrorDance”へとシームレスに繋ぎ、GALAXYは一丸のハンドクラップに沸き返ることに。終盤には、サプライズプレゼントを差し出すように内澤からうれしいニュースが公表された。「来年3月に俺ら代々木第一体育館でワンマンやるんだけど、その前にアルバムを出そうと思ってます」と! 歓喜に沸くオーディエンスに「みんなと一緒に歌いたい歌があります。声、出せますか? 思いっきり声出して行こうぜ!!」と呼びかけた次の瞬間、湧き上がる「ウォーオーオーオー!」の大合唱。そう、TVドラマ「Woman」の主題歌としてみんなの心に刻まれたヒットナンバー“Voice”がGALAXY STAGE全体と共鳴する。「お前らの歌だ! 歌え!!」とさらに煽って、すべての哀しみや鬱憤をはるか後方に置き去るように、客席一丸の勇ましいコーラスが高らかに鳴り響いたのだった。掛け値なしの感動的なフィナーレだった。(奥村明裕)
この4日間の模様を凝縮した別冊付録を、「ROCKIN'ON JAPAN3月号(1/30発売)」に封入! 全ライヴ・アクトのセットリストは、そちらに掲載されます。