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COUNTDOWN JAPAN 13/14 公式サイト
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ザ・ヴェルヴェット・アンダーグラウンドのオープニングSEに乗って、日本が誇る愛と背徳の使者=吉井和哉がEARTH STAGEに降臨。ド迫力のロック・アンサンブルが轟く中、光沢のあるジャケットをひるがえし、まずは“ビルマニア”を投下する。いきなりシャウト混じりの強烈な歌声が、そのカリスマ性を増幅させていった。「どうも吉井和哉でーす! 2013年も残すところ僅かとなって参りました! 短い時間ですが楽しんでってください!」と告げては、鳴り響く2曲目のイントロの中で「楽園に行こう!」と呼び掛けてみせる。そう、THE YELLOW MONKEY“楽園”が、EARTH STAGEいっぱいに終わらない自由を描き出してしまうのだった。続けざまに、ロックンローラー吉井和哉としての磨き上げられた妙技が光る“点描のしくみ”で高らかな歌声を誘う。息つく暇もない、とはまさにこのことである。赤・青のフラッシュライトを浴び、加熱するロック・サウンドも圧巻だ。

ここで吉田佳史(Dr)、三浦淳悟(B)、鶴谷崇(Key)、生形真一(G)、日下部正則(G)ら、それぞれ第一線で活躍するバンド・メンバーを紹介すると、帰省シーズンのオーディエンスの予定を気に掛けながら、「僕が、ふるさとを想って作った曲でございます」と、ベスト盤『18』にも収録された配信曲“HEARTS”を披露する。望郷の念と心の旅を歌い込む、そのエモーションの形が美しい。そして急激に走り出す「ウォネイサン!!」のシャウトから“LOVE LOVE SHOW”、更には“バラ色の日々”と、ステージの端まで走り回りながらイエモン・ナンバーを連発していった。言わずもがな、沸騰必至の展開だ。流れ落ちる汗を拭こうともせず、身振りを交え、自らギターを搔き鳴らし、想いよ届けとばかりに歌われるのは“WINNER”。一方、一様にステージから目を逸らすことなく、そのエネルギーを全身に浴びてチャントの如き歌声を上げるオーディエンスである。

そして最後の一曲に、ソリッドなサウンドと共に放たれるのは、YOSHII LOVINSON名義時代のナンバー“FINAL COUNTDOWN”だ。「終わりの物語」が、音楽の、歌の力で「始まりの物語」として動き始める。もちろん、COUNTDOWN JAPANというイベントにふさわしい曲ではあるけれど、それだけではないだろう。「私事なんですが、今年ソロ・デビュー10周年を迎えました! 来年も、マイペースに頑張っていきたいと思います! どこかで会ったら、また付き合ってください」。イエモンも、YOSHII LOVINSONも抱きしめた吉井和哉の2013年の終わり。それは、人生の道程すべてを肯定することに他ならなかった。サービス精神旺盛な選曲と熱演、そこには、胸を熱くして止まない物語もまた、宿されていた。(小池宏和)





この4日間の模様を凝縮した別冊付録を、「ROCKIN'ON JAPAN3月号(1/30発売)」に封入! 全ライヴ・アクトのセットリストは、そちらに掲載されます。
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公式スマートフォンアプリ登場 COUNTDOWN JAPAN 13/14

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