2013年も残りわずか、いよいよ熱を増してきたEARTH STAGEに登場するのはRADWIMPS。実に8年ぶりとなるCOUNTDOWN JAPAN出演!ということで、開演前から幕張メッセは濃密な熱気と期待感と緊迫感で満たされている。そして……場内が暗転、桑原彰(G・Cho)/武田祐介(B・Cho)/山口智史(Dr・Cho)がオン・ステージし、最後に軽やかに飛び跳ねながら野田洋次郎(Vo・G)がステージに登場すると、この瞬間を待ち詫びたオーディエンスの大歓声が轟々と湧き上がり、1曲目に鳴り響いた“ふたりごと”がその歓声をでっかいシンガロングへと変えていく! フェス開催前、「野田洋次郎が左手を骨折」というニュースに衝撃が走ったが、時に左手でマイクを持って熱唱したりしているこの日の彼の姿はまさに絶好調そのものだ。
「行くぞ、幕張!」の絶叫から“君と羊と青”のダイナミックな躍動感そのもののようなビートへ雪崩れ込み、一面のジャンプと大合唱でEARTH STAGEをがっつり揺らしてみせたかと思うと、「1・2・3・4!」のカウントから、駆け足のようなアクションとともに何度も“君と羊と青”のエンディングを繰り返してみせる野田。「まだまだできんだろ、幕張! あと数時間で今年が終わっちゃうんだよ!」と野田が意気揚々と語りかける。「今年最低だった人もさ、『終わりよければすべてよし』って日本語を聞いたことあんだよ。残りの3〜4時間でさ、2億倍くらいいい年にしようぜ!」の叫びに沸き返る怒涛の大歓声とともに“DADA”へ! ヘヴィ&ハード・エッジなアンサンブルと、一瞬一瞬全身を振り絞るような野田の絶唱が、フロア激震のハイジャンプを呼び起こしていく。「よくやりました!」という野田の声に、歓喜の声が熱く広がる。
ミステリアスにのたうつアンサンブルと野田のフロウが背徳感とスリルを描き出していく“G行為”の後、観客の声に応えて「ああ、手、大丈夫です。ありがとうありがとう。そう、手折っちゃったんですよ」と話しかける野田は、次の曲に備えてなんとギターを構えている。「ギター弾けないと思ってたんだけど、どうしても弾きたくて……」という言葉に、驚きと感激の声が湧き起こる。続けて野田が語る。8年前にMOON STAGE・31日の一発目に登場したこと、その時のライヴが満足いかなかったことなど。「でも今、最高に気分がいいです! ありがとう! まだまだ歌います!」と高らかに呼びかける野田に、熱い歓声が巻き起こる。彼が懸命にかき鳴らすギターとともに弾けた“トレモロ”のダイナミックなサウンドが、フロアを力強く揺さぶったことは言うまでもない。
「今年あと数時間だけど、まだ好きだって伝えてない人は、好きだってことを伝えるチャンスだよ思うよ!」というMCとともに響き渡った“いいんですか?”では雄大なリズムとともに《いいんですか?》の大合唱とクラップが広がる。「ギターあんまり弾けないから、新しい楽器持ってきたんよ」と、右手に持った電子楽器のセンサーと呼応するように左手を激しく動かして鮮烈なデジタル・ノイズを放ち、そのまま突入した“おしゃかしゃま”ではキーボード両手弾きでイントロのフレーズを奏でていく野田。「いい年にしようね、来年!」。続けて野田が叫んだ「会心の一年にしましょう!」のコールとともに轟かせたラスト・ナンバーはもちろん、リリースしたばかりの最新アルバム『×と○と罪と』からの“会心の一撃”! 世界のありとあらゆるネガティヴィティを突き破っていくような爆発的なエネルギーと疾走感! 歓喜に熱く揺れるメッセの狂騒とともに、RADWIMPSの「今」のスケール感をCOUNTDOWN JAPANの歴史に刻み付ける、圧巻のステージだった。(高橋智樹)
この4日間の模様を凝縮した別冊付録を、「ROCKIN'ON JAPAN3月号(1/30発売)」に封入! 全ライヴ・アクトのセットリストは、そちらに掲載されます。