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ベートーヴェンの交響曲第九番“歓喜の歌”をノイジーにアレンジしたSEが爆音で鳴り響いた途端、MOON STAGEはこの人の色に染まってしまう。今年は11月と12月に2枚のアルバムを発表したAA=、3年ぶりのCDJ出演である。「カウントダウンジャパーン、ブチ上げていくぜー!」というTAKESHI(Vo・B)の咆哮からオープニングを飾ったのは“WARWARWAR”。脳みそをショートさせてしまいそうな音圧のビートとノイズが、MOON STAGEをビリビリと震わせていく。けたたましいサイレンの音から突入した“sTEP COde”では、迸る激情をヘヴィな轟音と絶叫に乗せて投下。フロアには絶叫しながら踊り狂う人、微動だにせずステージを見守る人……と好対照な人が同等ぐらいの割合で存在していて、AA=が鳴らすサウンドの幅広い可能性を改めて痛感する。なにより、AA=の音楽は原始的なレベルで人々の心に作用するエネルギーを持っている。

中盤の“ALL ANIMALS ARE EQUAL”では、アタックの強いエレクトロビートに乗って《全ての創造は平等である》という毅然としたメッセージがTAKESHIとTakayoshi Shirakawa(Vo/BACK DROP BOMB)のヴォーカル・リレーによって届けられる。さらにカオティックな轟音から神々しいサビへと一気に上昇する“The Klock”、かつてなく甘いメロディとTAKESHIの優しい歌声が羽ばたく“HUMANITY2”と連打して、「醜さと美しさ」「破壊と創造」「虚像と真実」などさまざまな陰陽が背中合わせに存在する世界のリアルをダイナミックかつ生々しく描き切っていくAA=。最後は“FREEDOM”を大音量でブチかまし、ループするエレクトロ・ビートでトランスさせて圧巻のクライマックスへ――TAKESHIが最後に放った「新しい年、みんなのところに素晴らしい未来が訪れますように」という言葉すらも鋭利なメッセージとして胸に突き刺さってくるような、壮絶なアクトだった。(齋藤美穂)





この4日間の模様を凝縮した別冊付録を、「ROCKIN'ON JAPAN3月号(1/30発売)」に封入! 全ライヴ・アクトのセットリストは、そちらに掲載されます。
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