「COUNTDOWN JAPAN 13/14」3日目のMOON STAGEの幕開けを飾るのはTHE ORAL CIGARETTES! 暗転したステージに湧き上がる大歓声に応えて「今日一発目に、俺らを選んでくれて本当にありがとうね!」と山中拓也(Vo・G)が叫ぶ。「今日俺らがやって帰ることはただひとつ! 一発目にして、あなたたちが今日観る中で、最高の景色を作りましょう!」……そんな宣誓とともに撃ち放った“mist…”のアグレッシヴなバンド・サウンドが、満場のオーディエンスをいきなりがっつりと揺さぶり、フロアの熱気と狂騒感をそのまま“机上の空論に意味を為す”の爆発的な推進力へと変えていく。あきらかにあきら(Cho・B)&中西雅哉(Dr)のビートがメッセをびりびりと震わせ、鈴木重伸(G)の幾何学的ギター・フレーズが熱気をかき混ぜ、「幕張さ、そんなもんじゃねえよな! かかってこいや!」という山中の叫びが観る者すべてを熱狂の彼方へと導いていく。
さらに“瓢箪山の駅員さん”のポップにねじれたアンサンブルでミステリアスな妖気を放ったところで「すげえな、おい!」と熱気あふれるフロアを見回して満足げに叫ぶ山中。ここで突然、山中の小さい頃の友人「牛乳を必ずチンして飲むテツオ」の話へ。「牛乳って、チンすると膜張るやんか? それであだ名が『幕張』でした!(笑)。今日、そんなテツオのことを思い出したので、幕張のみんなのことをテツオって呼んでいいですか!」というMCから、満場の「テツオ組」とのコール&レスポンスへ突入。「僕たち私たちテツオ組は」「今日出演するアーティストの中で」「THE ORAL CIGARETTESが」「いちばん楽しみでした!」のでっかい声が、幕張メッセに響き渡っていく。「最高のあなたたちに、最高のダンス・ロックを!」とハンドマイクで“N.I.R.A”を熱唱してMOON STAGEを揺さぶった後、「今年いちばんの大魔王を参上させたいんですけど!」のコールとともに“大魔王参上”では会場一面のクラップと「大魔王参上!」の大合唱を巻き起こしていく。「今日、COUNTDOWN JAPANの30日の中で、いや4日間の中で、いや今年あなたがたが聴いた音楽の中で、いちばんカッコいい音楽をやります!」という山中の言葉とともに炸裂したラスト・ナンバーは“Mr.ファントム”! 鋭角ビートとダイナミックなアンサンブル、弾けるような歌が、フロアをむせ返るような熱気に包んでいった。挑発的なビッグマウスすらもTHE ORAL CIGARETTESの「これから」を目映く照らし出す予言のように感じさせるエネルギーが、この日のステージには確かに渦巻いていた。(高橋智樹)
この4日間の模様を凝縮した別冊付録を、「ROCKIN'ON JAPAN3月号(1/30発売)」に封入! 全ライヴ・アクトのセットリストは、そちらに掲載されます。