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COUNTDOWN JAPAN 13/14 公式サイト
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いよいよ「この時」がやってきた。COUNTDOWN JAPAN 13/14、MOON STAGEのカウントダウンを務めるのはPeople In The Box! 透明かつ深遠なる音世界を描く彼らがどんな年越しを演出してくれるのか。暗転した場内にチクタクと時を刻む音が流れだし、静かにステージに登場したメンバー。「People In The Boxです、宜しくお願いします」という波多野裕文(Vo・G)の挨拶から“ニムロッド”へ突入すると、星屑をまき散らしたような、眩くも繊細な音像が降りそそいでいく。そこから福井健太(B)の怒涛のベース・イントロで幕を開けた“球体”、変拍子で踊らせる“ダンス、ダンス、ダンス”と繋げると、恍惚とした眠りから覚めるかのように徐々に高揚していくフロア。黒いジャケットと黒いシルクハットでカウントダウン仕様におめかしした波多野は、ハンドマイク片手に近くのお立ち台に立ったり、床に膝をついたりと動き回りながら、オーディエンスの躍動感を引き出していった。

「どうもこんばんは。去年は年を越してから出たんですけど、そのとき僕がすごい天邪鬼なので、年越しを愚弄するようなことを言ったんですね。そしたら今年カウントダウンを仰せつかりました。……年越しとは、最高の行為ですよ!」と、1年前のステージで口にした自らの発言を撤回してみせる波多野。そこから“気球”へ流れると、ゆったりと宙を舞うアンサンブルに誘われ、2013年の悲喜こもごもが走馬灯のように脳内を駆け巡っていくような感覚に。さらに鋭いノイズで幕を開ける“旧市街”へ雪崩れ込めば、緊張と緩和を繰り返しながら疾走していく精緻なアンサンブルと、《時間だよ 僕から生まれた僕自身に告ぐ》という波多野のポエトリー・リーディングによって、すぐそこまで迫った年越しの瞬間に向けて意識がどんどん覚醒していく。そして「オッケー、ジャパーン! 今年の残り時間があと3分を切りました!」と口を開いた山口大吾(Dr)、1月11日のZepp ダイバーシティ東京ワンマン公演の告知をしたり、「初詣に行くの面倒くさい人は僕らにお札を投げてください。波多野君は神社の息子なんでご利益あります」と言ったりしているうちに、モニターに残り60秒の表示が。特大バズーカ砲がステージ上に持ち込まれ、残り10秒から「10、9、8、7、6、5、4、3、2、1」という場内一丸のカウントダウンを行って、年越しとともに銀テープ発射! 「2014年になったからもうひとつ告知させてくれ。来年……じゃなくて今年4月からツアーやるぜ!」という山口の宣言から“はじまりの国”へ突入すると、新年の扉を開け放つような飛翔感と開放感に満ちたサウンドスケープをダイナミックに描き出し、2014年の到来を盛大に祝福した。さらにイントロでウォーという歓声が沸き起こった“完璧な庭”でハンドクラップを誘って絶頂へ――終わってみれば、過ぎゆく年を深遠たる音で噛みしめ、来たる新年への希望を真っ白なノイズで描き出したような、People In The Boxならではの年越しライヴがここに完結していた。(齋藤美穂)





この4日間の模様を凝縮した別冊付録を、「ROCKIN'ON JAPAN3月号(1/30発売)」に封入! 全ライヴ・アクトのセットリストは、そちらに掲載されます。
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公式スマートフォンアプリ登場 COUNTDOWN JAPAN 13/14

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