大晦日も日暮れを迎えた幕張メッセ。ASTRO ARENAには、4年連続のCOUNTDOWN JAPAN出演となるgroup_inouが登場! 「group_inou、始めます!」のimaiのコールから“RIP”へ突入! 全身震撼の爆音ビートとポップにねじれたトラックの接点からスリリングなほどの高揚感が湧き上がり、cpの速射砲のようなフロウと鮮烈なVJワークが一丸となって、ASTRO ARENAを狂騒の異次元へと引きずり込んでいく。続く“THERAPY”ではイルカの映像から這い出してきたかのようにどこからともなくイルカの着ぐるみが登場して、パワフルなビートとともに踊り回ったり、キュートなシンセ・リード・サウンドのイントロから流れ込んだ“QUEST”のめくるめく高揚感にオーディエンスの手が高々と突き上がったり……と、フロアの多幸感は1曲ごとに増す一方だ。
「1年ぶりのCOUNTDOWN JAPAN! もう毎年出てんだ(笑)」とオーディエンスに語りかけるcpに続けて、「あの……僕、昨日急性胃腸炎になっちゃって。今日もうダメかなと思ってたんだけど」とカミングアウトするimai。「病院行ったら、一個前の順番の人が『治してよ! 治してよ!』って言ってて、どんな怖い人かなと思ったら、思った通りオタクっぽい人で。おとなしくなったなと思ったら、待合室で椅子並べて寝てて。それ見てたら、『大人として、体調悪くてもしっかりしなくちゃな』と思って。今日来れました!」。笑いと拍手が巻き起こる。
“COMING OUT”の硬質なビートと朗らかなシンセ音とのコントラストがドリーミンな躍動感を描き出した後、「早いもので、あと2曲なんですけど……」のimaiの言葉に「えー!」とフロアから湧き上がる声。「えー!って言ってほしくて言ってるところもあるんですけど……」と返すimai。「実は今、紙おむつはいてライヴやってるんですけど、念のために。赤ちゃんの気持ちでステージに立ってます」(imai)「初心忘れるべからず?(笑)」(cp)と、そのバキバキの表現とは打って変わってマイペースなMCを繰り広げたところで、ラストは最新アルバム『DAY』の世界へ。爆裂トラックでアグレッシブにフロアを震わせた“KNUCKLE”。さらに“9”であらゆる感情を量子化するようなエレクトロの音像を立ち昇らせて……終了。2人が舞台を去った後も、ASTRO ARENAにはまだ濃密な悦楽の余韻が残っていた。(高橋智樹)
この4日間の模様を凝縮した別冊付録を、「ROCKIN'ON JAPAN3月号(1/30発売)」に封入! 全ライヴ・アクトのセットリストは、そちらに掲載されます。