【インタビュー】コラボ曲“天誅 & Mercy”完成記念、Mori Calliopeと10-FEET・TAKUMA初対談! 異なる2つの世界から生まれた巨大なエネルギー

【インタビュー】コラボ曲“天誅 & Mercy”完成記念、Mori Calliopeと10-FEET・TAKUMA初対談! 異なる2つの世界から生まれた巨大なエネルギー

Mori Calliopeが完成させた3枚目のアルバム『DISASTERPIECE』には、10-FEETがプロデュースを手がけた“天誅 & Mercy feat. 10-FEET”が収録されている。VTuberのMori Calliopeと、汗迸る肉体性で湧かしてきた10-FEET。片や音楽活動6年目で、もう片方は来年結成30周年を迎える。まったく異なる2組が一体どのようにして交じり合うのだろうかと思いきや、相反するものがひとつにまとまっているからこそ、巨大なエネルギーを放つ音楽が誕生した。そもそも“天誅 & Mercy”というタイトルは「天罰」と「慈悲」といった二面性を意味し、さらにいえば『DISASTERPIECE』というアルバムタイトルは「DISASTER=失敗作」と「MASTERPIECE=傑作」という真逆の言葉を合体させた造語である。何事も二面性というのは「相反するもの」ではなく「つながっているもの」なのだと、Mori Calliopeは教えてくれたのだった。

インタビュー=矢島由佳子


「センス」「技術」「練習」だけではそうならないレベルというか、ほんまに大好きやないとそうはならへんようなかっこよさで、魅了されました(TAKUMA)

──まずはコラボの経緯について聞かせてください。アルバム『DISASTERPIECE』の楽曲を作るにあたって、なぜ10-FEETに声をかけたのでしょう。

Mori Calliope 私はいろんなジャンルで音楽を作っていますが、最近は特にロックが大好きです。好きなロックアーティストとコラボしたいと思っていた中で、10-FEETは、ホロライブのカウントダウンライブで他のメンバーと“第ゼロ感”を歌ったことがあるくらい好きだったので、何か一緒に作れたらなと思いました。オファーを受けてくださって、とても嬉しかったです。すごくいい曲ができたと思っています。

──一緒に曲を作るにあたって、どんなリクエストをTAKUMAさんへ投げたんですか?

Mori Calliope いつもコラボする時は、相手のクリエイティビティを制限したくないので、基本的に任せています。リファレンスがほしいと言われれば、相手の作品の中から「こういうものを作ってくれたら嬉しいです」という曲を見つけるようにしていますが、とにかく新しい音楽を作りたいという気持ちがあります。リクエストを出しすぎるとその可能性を削いでしまう気がするので、相手に委ねるようにしています。

TAKUMA あまり詳細までは言わず、「激しくかっこいい曲を」くらいの感じで言ってもらいました。失礼なんですけれども、僕はオファーをいただくまでCalliopeさんの曲をそんなにたくさん知っていたわけではなくて。そこからコラボ曲も全部聴く勢いで、本当にたくさん聴いたんですけど、僕の大好きなジャンルで、とにかくすごくかっこいいし、ものすごい才能とセンスだなと思って。特にラップに関しては、ライミングもフロウも究極の極地まで行くくらいすごいなと思ったんです。「センス」「技術」「練習」だけではそうならないレベルというか、ほんまに大好きやないとそうはならへんようなかっこよさで。Calliopeさんが過去に作ってきた音楽と、そこで彼女が披露しているラップや歌というのは、本当に大好きでやっているのだろうなと思って魅了されました。Calliopeさんのこれまでの音楽をたくさん聴き込んで、どんな曲ができるかを模索していた時間は、すごく没入できるくらいに楽しかったです。Calliopeさんがこれまでやってきた要素を取り入れたり、「新しくこういうことをやってみてはどうか」「10-FEETでよくこういうことをやるけど、それをミックスしてみたらどうか」とか、そういうことを考えるのが非常に楽しかったです。

Mori Calliope 嬉しいです、ありがとうございます。経験豊富なTAKUMAさんと一緒に曲を作らせてもらう中で、たくさんのことを学びました。完成したものにはすごく満足していますし、いつも素晴らしい楽曲を作っているTAKUMAさんといいものを作れたということが自信になりました。レコーディングが終わった時にTAKUMAさんが「楽しかった」と言ってくださったことも、とても嬉しかったです。

完璧でなくても美しくあれると思ったんです。私のこれまでの人生は完璧ではありませんが、それでも本当によかった、美しいものになったと感じています(Mori Calliope)


──CalliopeさんがTAKUMAさんから学んだこととは、具体的にどういうものでしたか?

Mori Calliope “天誅 & Mercy”には3つの異なるパートがあって、それらはまるで別の曲かと思うくらい違うサウンドなのに、うまく混ざり合っていて、最初から最後までがひとつの物語のようにまとまっている。音楽でこんなことをやったのは初めてでした。とても芸術的で、これまで経験したことのない方法で曲が生き生きと動き出すことを感じました。すごく興味深かったので、またこういう曲に挑戦してみたいです。

──特に最後は「アルバムの次の曲に行ったかな?」と一瞬思うくらいの変化が訪れる構成になっていて、私もそこが面白いなと思いました。どういう意図のもと、こういう描き方をされたんですか?

TAKUMA 油断すんなよ、っていう感じです。

Mori Calliope (笑)。めっちゃよかったです。ファンの方からよく「いい曲だね」って言ってもらうんですけど、「アウトロの方向性のサウンドをもう3分聴きたい」という声もありました。

TAKUMA そうなんだ、嬉しいね(笑)。

──10-FEETのサウンド中で“天誅 & Mercy”という壮大なテーマを歌ったこの曲は、アルバム『DISASTERPIECE』にとって欠かせないピースになっていると思いました。『DISASTERPIECE』は「DISASTER」と「MASTERPIECE」を掛け合わせた造語とのことですが、なぜ今こういったテーマを掲げたいと思ったのかを聞かせてもらえますか。

Mori Calliope 私は、過去の後悔や悲しみから曲を作っていて、それが音楽の原動力になっています。つまり、過去の未熟さ、失敗、間違い、それらすべてが今の私の一部を形成している。そんな私は、完璧ではないですが、不完全なままでもそれはそれで美しさがあると思うんです。人は一人ひとり違っていて、同じ人はこの世界に1人もいない。たとえ「DISASTER=惨事、失敗」であったとしても、きっとどこかにそれを愛し、美しいと感じてくれる人がいるはず。シンプルに言うならば、完璧でなくても美しくあれると思ったんです。美しいものがすべて完璧なわけでもないですしね。私のこれまでの人生は完璧ではありませんが、それでも本当によかった、美しいものになったと感じています。私はそういうふうに人生を進めてきたので、このタイトルにしました。

TAKUMA 改めて、いいタイトルですね!

Mori Calliope ありがとうございます!

次のページ「天誅」と「Mercy」は、正反対のもののように思えますが、実はつながっているんですよね(Mori Calliope)
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