「幕張~!」という藤森元生(Vo・G)のシャウトに続き、性急なビートがMOON STAGEを鮮やかに染める。“マジックアワー”でSAKANAMONのステージがスタートすると、MOON STAGEにあふれるほど集まったオーディエンスからは大きなハンドクラップが巻き起こる。ラストを「愛してるよ、幕張」と歌詞を変えて藤森が歌えば、フロアからは大歓声だ。SAKANAMONの愛されっぷりは半端ない。
インディーズ時代の名曲“ミュージックプランクトン”でフロアの興奮をさらに加速させると、“空想イマイマシー”のブレイクではAKB48の“ヘビーローテーション”を藤森が熱唱し、MOON STAGEを大爆笑&大歓声に包む。「“ヘビーローテーション”でした!」とニンマリと笑う藤森に、「SAKANAMONは嫌いになっても、COUNTDOWN JAPANのことは大好きでいてください!」と森野光晴(B)。去年の12月にアルバム『na』でメジャー・デビューを果たしたSAKANAMONだが、「お世辞にも大ブレイクしたとは言いがたいですが、今年はひとつだけ違うことがあって、COUNTDOWN JAPANに出られています。ありがとう、ここにいるみんなのおかげです」と森野が語ると、続くは2014年2月にリリース予定の2ndアルバム『INSUROCK』収録のナンバー“TOWER”。その飄々としたイメージに隠された熱いエモーショナルが爆発したようなサウンドは、SAKANAMONの新境地だ。
さらに“シグナルマン”を畳みかければ、フロアは再びハンドクラップに包まれる。うねりを上げる木村浩大(Dr)の力強いドラムがMOON STAGEのオーディエンスの熱狂をぐいぐいと牽引し、フロアの盛り上がりは天井知らず。「今年を代表する僕らの一曲を最後にやります」(森野)と最後に披露されたのは、今夏にリリースしたシングル曲“花色の美少女”。パワフルなバンドアンサンブルに、オーディエンスからは拳が上がる。メジャー・デビュー1周年を経て、さらにたくましさと男気を増したSAKANAMONの今を思い切り叩きつけた痛快なステージに、MOON STAGEは終始オーディエンスの笑顔が弾けた。2014年のSAKANAMONからも目が離せそうにない。(大山貴弘)
この4日間の模様を凝縮した別冊付録を、「ROCKIN'ON JAPAN3月号(1/30発売)」に封入! 全ライヴ・アクトのセットリストは、そちらに掲載されます。