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2日目COSMO STAGEのラストを飾るのは、先ごろ全25公演の「TOUR '13 "INTO THE GALAXY"」を終えたばかりの中田裕二! スタイリッシュなブルーのスーツで、「JAPAN! 幕張!!」と呼びかけながら、“アンビバレンス”の妖艶なファンクネスがCOSMOを席巻する。「今日は“歌謡ロック絨毯爆撃”でいきます!」との宣言どおり、“BUG”、“HEROINE”と昭和歌謡の艶やかな輝きを秘めたナンバーを矢継ぎ早に連続投下。何しろバックバンドはソウル・フラワー・ユニオンの奥野真哉(Key)、元BEAT CRUSADERSのカトウタロウ(G)という腕利きのミュージシャン揃いで(中田曰く、ステージ上は「色男だらけのダンディズム大会」とのこと・笑)、5人の緩急自在な卓越したアンサンブルがみるみるフロアを沸かせていった。
「去年はソウルフルな感じだったんですけど、今日は久々にロックっぽい感じでやってみます!」と、中盤は“話をしないか”“いばらのみち”などさらに熱量を増してヒートアップ。後者では、中田はギターを置いてハンドマイクで踊るようにステージを駆けまわって熱唱。その堂々たるパフォーマンスからは、椿屋四重奏解散以降ソロとして邁進してきた彼の覚醒と成熟をまざまざと感じさせた。
「今日のトリに俺を選んでくれてありがとう! 君たちのセンスは最高だと思うよ! もっと跳びましょう!」と本編ラストは今年9月に発表した傑作アルバム『アンビヴァレンスの功罪』収録のダンスナンバー“MIDNIGHT FLYER”で最上級の一体感を生み出し、アンコールに応えて再登場した中田は、「日本の歌謡曲を大切にして、それを元にたくさんの素晴らしい世界を作っていきたいと思います」と来るべき一年の抱負を表明(「こんなアダルトでダンディなことやってるの、僕だけでしょ?(笑)」とも)。そして、熱情的な“DANCE IN FLAMES”で今一度フロアを踊らせて2日目COSMO大団円! そのステージがいかに濃密かつ快楽的なものだったかは、客席に湧いた割れんばかりの拍手が何より雄弁に証明していた。(奥村明裕)
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この4日間の模様を凝縮した別冊付録を、「ROCKIN'ON JAPAN3月号(1/30発売)」に封入! 全ライヴ・アクトのセットリストは、そちらに掲載されます。