続いてGALAXY STAGEに登場したのは奥田民生! 昨年は地球三兄弟の「Oしゃん」としてCDJに登場した民生、今回は斎藤有太(Key&Cho)/小原礼(B&Cho)/湊雅史(Dr)を擁したMTR&Y編成でオン・ステージ、先日の全国ツアー『奥田民生 2013ツアー“SPICE BOYS”』でも披露していた“マシマロ”のディープなダブ・ヴァージョンからスタート! 民生のひとりエコー(?)も擁した濃密なイントロの後で♪雨降りでも気にしない~の歌声が響いた瞬間、驚きと感激がうおおおっという歓声とともに広がる。「ジャパーン、パーン、パーン……」とエコー風に呼びかけつつ、見事にコール&レスポンスを巻き起こしていくのはさすがだ。「どうもこんばんは、じゃなかったこんにちは! よろしくお願いします、ます、ます……」の挨拶に続いて流れ込んだ最新アルバム『O.T. Come Home』のロックンロール・ナンバー“チューイチューイトレイン”では民生のギター・ソロがアグレッシブに暴れ回り、パワフルなビートが弾み回る“カイモクブギー”ではエネルギッシュな熱唱でさらなる高揚の彼方へぐいぐいと導いていく。
「えー、久々の昼の出番ということで。2時始まりということは、9時に起きて、10時に集合して……昼から飲めるわけですよ。早すぎるでしょ!(笑)」と、その力強いサウンドとは一転してリラックスしまくったMCでGALAXYを沸かせていく民生。「あんまりしゃべってる時間がないみたいで……さっきの“マシマロ”が長すぎたみたい(笑)。ほんじゃ、よろしく!」と“マイカントリーロード”のメロディを豊潤に咲き誇らせ、“なんでもっと”ではブラス風のシンセ・アレンジと共にその歌声で晴れやかな多幸感を描き出していく。さらに“風は西から”のエモーショナルなメロディで広大な空間を心地好い快走感で包み込んでみせ、「ジャパーン!」の絶叫から“イナビカリ”でその歌とアンサンブルはさらにダイナミックに加速していく。小原礼のうねるベースと湊雅史のタイト&スクエアなビートとともに鳴り渡った“まんをじして”の、メッセ丸ごとびりびりと震わせるような民生のパワフルなヴォーカリゼーション! そして、圧巻のステージの最後を飾ったのは“御免ライダー”! 聴く者すべて腰から揺さぶるようなディスコ・ビートと、民生のロック・マインドあふれまくりのメロディが高次元で融け合って、最高の風景を描き出していた。すべての音が止み、深々と一礼した後、去り際に掲げてみせたWピースサインが、このステージの充実感を何より雄弁に物語っていた。(高橋智樹)
この4日間の模様を凝縮した別冊付録を、「ROCKIN'ON JAPAN3月号(1/30発売)」に封入! 全ライヴ・アクトのセットリストは、そちらに掲載されます。