「COUNTDOWN JAPAN 13/14」3日目、EARTH STAGEにはDragon Ashが2年ぶりに登場! うおおおっと湧き上がる雄叫びのような大歓声を受けて、ATSUSHI&DRI-Vの艶やかなダンスとBOTSの華麗なDJさばきが繰り広げられる中、Kj(Vo・G)が、桜井誠(Dr)が、HIROKI(G)が、そしてサポート・ベーシストのKenKenがオン・ステージ、“Run to the Sun”でいきなりEARTH STAGEをレッドゾーン超えのクライマックス状態へと導いていく。パワフルなサウンド、Kjが絶唱する雄大なメロディ、ダンサーチームの艶舞がひとつの紅蓮のロックの風景を描き出し、「飛び跳ねろ!」というKjのコールがさらにオーディエンスの情熱に火をつけていく。《走らせてくれ 体中がきしんで 千切れそうなくらい》……“Walk with Dreams”とともに惜しくもIKUZONEのラスト・レコーディングとなったこの曲が、メンバー6人で前進することを選んだDragon Ashの決意のナンバーとして力強く響いていた。胸が熱くなった。
「真冬ですが! サンバ!」というKjの叫びから爆裂ラテン・ビートとともに轟いた“For divers area”がメッセを一面ハイジャンプの嵐へと叩き込み、そのまま息つく間もなく“AMBITIOUS”へ! 熱風のように押し寄せるアンサンブルとともに響く《苦しんだり歯を食いしばり 自分自身で勝ち取ってこそ幸》というメッセージが、「ラウド・ミュージックは、ラウドなことに意義がある! ボーッと観てたって意味がねえ!」というKjの叫びが、刻一刻とフロアを熱く激しく震わせていくのがわかる。「新曲やらしてくれ!」というKjの声とともにゲスト:Yalla Familyを呼び込んで披露したのは、2014年1月リリースのニュー・アルバム『THE FACES』から“Still Goin' On”。切れ味鋭いラップの応酬とスリリングなヘヴィ・ミクスチャー・サウンドが寄せては返す楽曲が、満場のハンドウェーブを巻き起こしていく。さらに“Velvet Touch”の後、「今日・12月30日は、ファッキン・ベーシスト、KenKenの誕生日です!」というコールとともにバースデー・ケーキが運び込まれ、拍手喝采が広がっていく。
「ディレクター死んじまったりとか、ベース死んじまったりとか。やめりゃいいのに……ロック・バンドやりたくて小さい頃から楽器練習してきたからさ。賢輔(KenKen)に頼んで、這いつくばってやってんだけどさ」と、自らが直面した試練の日々と、それを乗り越えて3年ぶりの新作『THE FACES』を完成させた「今」の想いを語るKj。「KenKenと一緒に作りました! ロック・バンドの現場っつうのはどんなにクソ熱いものかっつうのを歌ってみたんで!」という言葉とともに、KenKenのバキバキのベース・プレイをフィーチャーした“The Live”炸裂! そして、「新曲ばっかやっててごめんなさい! わがままついでにもう1曲やらしてください!」と、最新シングル曲“Lily”をどこまでも壮大に美しく咲き誇らせていく。
「あの……今日Zepp Tokyoで、俺たちのバンド仲間のPTP(Pay money To my Pain)のKってやつの追悼ライヴやってて……」と、汗に濡れたシャツを脱ぎ捨てて上半身裸になったKjが、満場のEARTH STAGEに語りかける。「俺らは今日ここでライヴやってるから行けないんだけど。『Kかっけえな』っていうやつは、次の曲はKのために一緒にやりませんか?」。熱い歓声とともに鳴り渡ったのは“百合の咲く場所で”! マイクを真っ直ぐフロアに差し出し、轟々と湧き上がるシンガロングにメロディを委ねてみせるKj。どこまでも美しく感動的な連帯の風景だ。最後は「ミクスチャー・ロックは好きかな?」のコールから“Fantasista”! 最高の狂騒空間を全身で楽しみきろうとするオーディエンスのシンガロングが空気を震わせ、一面のジャンプがメッセをひときわ大きく揺さぶっていく……ロック・シーンを切り開いてきたDragon Ashが、ロック・バンドとしての渾身の存在証明を改めて今この瞬間に刻み付けるような、感動的なステージだった。(高橋智樹)
この4日間の模様を凝縮した別冊付録を、「ROCKIN'ON JAPAN3月号(1/30発売)」に封入! 全ライヴ・アクトのセットリストは、そちらに掲載されます。