新年一発目、MOON STAGEにロックンロールの闘魂を注入するのはあの3人だ。2013年12月に衝撃の塊のような新作『Baseball Bat Tenderness』をリリースし、1月からは全国ワンマンツアー「DEAD BALL PARADISE」を開催するMO'SOME TONEBENDER。なぜか「新春かくし芸大会」のオープニング曲に乗って正月気分丸出しでステージに登場する。武井靖典(Ba)に至っては、獅子舞を連れ、金色で「寿」と書かれたTシャツを着ている。めでた過ぎる始まりから、いきなりギャング・オブ・フォーの“To Hell With Poverty”の激烈カヴァーを披露し、フロアにロックンロールをぶちかましていく。さらに“Young Lust”に突入すると、MOON STAGEに歓喜が広がっていった。
「皆さん、あけましておめでとうございます! 2014年、午年もぜひよろしくお願いします」と武井の音声が流され、そこから「寿! 寿! 寿!」と何回もいろんな言い方でしつこく繰り返し続ける。夜のテンションでだんだんおかしくなってきたところで、“ロッキンルーラ”が炸裂! 百々和宏(Vo&G)と藤田勇(G&Dr)によるツインギターとフロアをつんざくヴォーカルに、オーディエンスの熱狂はどこまでも加速していく。“24 hour fighting people”ではサイリウムを手に取り、ステージ上で圧巻のオタ芸を披露し出す武井先生。MOON STAGEはどんどんカオティックな狂騒に包まれていく。
続く“FEEVEER”、“Lost In the City”では激烈エレクトロ・ロックンロールが全開でフロアをこれでもかと踊らせて、武井はとうとうビームサーベルを持ち出し、硬質なダンス・ビートに合わせて全身をライトで光らせながら華麗に舞う。もう視覚的にも聴覚的にも情報量が多すぎて何がなんだか分からない状況になっているが、とにかくひたすら楽しい。フロアも大爆笑で踊りまくっている。そんな眠気や疲れも尻尾を巻いて逃げるような最高のロック・パーティは“Shining”でフィナーレ。新年一発目にもう瞼の裏から離れないほどの強烈なパフォーマンスを見せつけてくれたMO'SOME TONEBENDER。2014年は最高の始まりになった!(大山貴弘)
この4日間の模様を凝縮した別冊付録を、「ROCKIN'ON JAPAN3月号(1/30発売)」に封入! 全ライヴ・アクトのセットリストは、そちらに掲載されます。