ASTRO ARENAも後半へ。だが、まだまだこれからとばかりに、ノンストップで心地好く踊らせてくれたのは、TOKYO No.1 SOUL SET。ギターのノイズをきっかけに、次第に音を合わせながら、1曲目“Rising Sun”のハレのグルーヴを生みだしていく。高鳴るパーカッションに身を委ねるBIKKE(Vo)。そして大きく広がるメロディに、観客は腕を上げ、踊り、歓声を上げる。瞬く間に祝祭感で包まれていく会場を、続くアッパーチューン“I don’t know”で躍動させる。ゆらゆらと踊る観客たちへ、BIKKEはすっと言葉を手渡しするようにライムした。
“I don’t know”と次にプレイされた“One day”は、リリースされたばかりのニュー・アルバム『try∴angle』からの曲。「6年ぶりのCOUNTDOWN JAPANです」と切り出した渡辺俊美(Vo&Gt)は、「12月にアルバムを出しました。新曲ばかりなんですけど、それがいいと思って選びました」と続けて、これまたニュー・アルバムからのピカピカの新曲“Stand Up”を紹介した。ラテン・テイストのサウンドに、高揚感のあるコーラスが映える、熱いエナジーと哀愁感とが混じり合った曲だ。真っ赤な照明がマッチした俊美のヴォーカルに、BIKKEは大きく手を広げ、天を仰ぎ、観客を煽っていく。それに応えるように、みんな気持ちよさそうに手を伸ばして、グルーヴを、メロディを全身に浴びていく。至福という言葉が似合う光景だ。
「短いもので最後の曲です。よいお年を」(俊美)と言ってプレイされたのは、TOKYO No.1 SOUL SETの90’sクラシック、“Sunday”。BIKKEは大きくジャンプをしながら手を左右に振って、ガンガン盛り上げていく。「踊れ、踊れ!」。サウンドの隙間から漏れたステージからの声に、観客は両手を掲げ跳びはね、あるいはガッツポーズを繰り返す。BIKKEは、「最後、大きい声を出して終わりましょう」と言い、“Sunday”のシンガロングが会場に響きわたった。30分という時間が憎らしいほど短く感じた、多幸感あふれるステージだった。(吉羽さおり)
この4日間の模様を凝縮した別冊付録を、「ROCKIN'ON JAPAN3月号(1/30発売)」に封入! 全ライヴ・アクトのセットリストは、そちらに掲載されます。