今月号に掲載したKing GnuもFukaseもEveもVaundyもメガ級の天才系アーティストなので、2時間向き合って話を聞きながら対峙するだけものすごい量の知的カロリーを消費します。とても疲れます。でもはっきり言って楽しいです。他の何とも比べられない特別な手応えがあり、終わったあとにも特別な感触が残ります。それはたぶん、活字で読んでも何らかの形で伝わるのでは、と思っています。
King Gnuのインタビューはひさしぶりで、しかも今回はこれまでとはなんか違って、インタビューというより仲間が集まってのお喋りみたいな感じで、みんなそれぞれ思ったままをストレートに話してくれました。常田が言うように、それぞれ腹が座って、動じない強さを身に付けたことで再び原点に戻ったような心境なのだと感じました。そんな彼らに僕は思わず「嬉しい」と言っちゃいましたが、誰もがそう思うと思います。King Gnuはそういうバンドであってほしい。
名人の寿司職人に「どうやって寿司を握るんですか?」なんて野暮な質問はできないけど、その寿司職人がいきなりフレンチのシェフになったら「どうやってフレンチを学んだんですか?」ってまず聞きますよね。今回のFukaseのインタビューはそんな感じで、初めてヒップホップのアルバムを作り上げた彼にどうやって作ったかを一曲づつ聞くという異例のインタビューになりました。
Fukase本人もとても丁寧に、声の出し方からリリックの書き方までいろんな試行錯誤をリアルに語ってくれました。逆に彼のアーティストとしての核が見えるようなインタビューになったと思います。
Eveも久しぶりの取材だったのですが、今回はこれまでやった中で最も饒舌に語り尽くしてくれました。新曲“Underdog”は孤独感や疎外感をヒリヒリするほどリアルに曝け出した曲で、Eveはそれを原点回帰という言葉で語っていました。その数日後のKing Gnuのインタビューで常田も原点回帰と言っていて、King Gnuの”AIZO”もEveの”Underdog”も曲調も歌詞もまったく違うけれど「King Gnuそのもの」「Eveそのもの」をストレートに出したいう意味では偶然ですが不思議なシンクロも感じました。
Vaundyは今回もものすごいトークのスピードと言葉の量で圧倒するのはいつものインタビューと同じでしたが、今回は難解ゾーンに突入することもなく、解読可能な人間らしい会話で最後まで進めることができました。よかったよかった。インタビューの終盤で、ものを作る自分とものを見せる自分の区別の話が面白かったのですが誌面の都合で惜しくもカットしました。次の機会にまた!
というわけで今月も嫌になっちゃうほど充実してました。来月号もよろしくお願いします。(山崎洋一郎)
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