そして、その時その時のボウイの音楽が自分に刺さるということは、その批評性に自分も呼応するということだ。その瞬間にその人に変化が起きる。そうやって、ボウイの音楽はリスナーを変化させ、そして時代を変化させてきた。批評性によって。つまり批評性とはそういうことなのだ。ボウイは最後の最後までそういうアーティストだった。
ボウイがいなくなってからの10年間というのは、リスナーの変化を促し、時代を批評する姿勢を見失いかけている10年間だと僕は感じている。誰もが自分のことだけを歌い、今の時代を体現するだけでじゅうぶん合格だと、そんな袋小路感を感じる。きっとボウイの真の後継者はどこかにいるのだ。それに呼応できる批評性を僕らが持たなければならない。(山崎洋一郎)
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