【インタビュー】『ガンダム』とのコラボで加速した、表現者としての「覚悟」。PEOPLE 1、1年半ぶりの新曲“金字塔”を語る!

【インタビュー】『ガンダム』とのコラボで加速した、表現者としての「覚悟」。PEOPLE 1、1年半ぶりの新曲“金字塔”を語る!

PEOPLE 1の久々の新曲、しかもタイトルが“金字塔”、しかもしかもDeuの休養明け初の音源ということでかなりの期待感だったわけだが、さらにその上を行っていると、ほとんどの人が思ったはず。
これまでのPEOPLE 1ではあえて避けていたストレートで熱い楽曲、メジャー感あふれるアレンジとサウンド、そして超ポジティブな歌詞──アンダーグラウンドのポップメイカーDeuが地上に向けて放つ無敵かつ無防備なパワーポップ、それが“金字塔”だ。
「機動戦士ガンダム50周年 -Road to 50- プロローグソング」ということで、50年間も生き続ける『ガンダム』という作品とそれを作り上げてきたクリエイターに対するリスペクトが、Deuにここまでギアを上げた曲を書かせたのだろう。
本記事では、5月29日発売のJAPAN7月号に向けてのインタビューの中から、“金字塔”にまつわる部分を先行公開。“金字塔”が導くPEOPLE 1の新たな未来についてのとても重要な話ができたので、本誌と合わせてぜひ熱読してほしい。

インタビュー=山崎洋一郎 撮影=Takeshi Yao


明確にギア入れて作ってるっていうか。マジで『ガンダム』のタイアップじゃなかったら生まれなかった曲かもしれない

──新曲としては久しぶりの“金字塔”がリリースされて。これはPEOPLE 1の大きな節目、新たなスタートラインと言ってもいいぐらいの曲なんじゃないかなという感じがしました。腹を括ったうえでのPEOPLE 1のポップ宣言に聞こえたんだけど、まず、ひとりずつ手応えを聞かせてもらえますか。

Takeuchi(Dr) 去年の前半、バンド活動を休止してたんですけど、その半年を経て、Deuくんからこの曲のデモが上がってきて。やっぱり嬉しかったですね。バンド活動を含め、それぞれの未来に対して「こういくぞ」みたいな意思をこの曲から感じたので。嬉しさと同時に「であれば応えたいな、ついていきたいな」って改めて感じられる曲でした。そこからアレンジを重ねていって、ただのポップスじゃない、いろんな要素を持った新しい曲にもなったと思います。これも、我々の新しい色として出していけたらなと思います。

──明快ですよね、この曲。

Takeuchi そうですね。PEOPLE 1の曲で、これだけ前向きな意思をガンガン伝えていく曲は珍しい気がします。

──Itoくんはどう?

Ito(Vo・G) 今Takeuchiさんが言ったのは違う角度で話すと、僕は『(機動戦士)ガンダム』が大好きなんです。だから今回、『機動戦士ガンダム50周年 -Road to 50- プロローグソング』という形で『ガンダム』との関り合いを持てたのは、純粋に嬉しかったですね。まさか関われるとは思っていなかったので。”金字塔“も、僕と同じように『ガンダム』が好きな人にも好きになってほしいと思ったし。僕も『ガンダム』をきっかけにいろんな曲を好きになっているので、”金字塔“もそういう曲になればいいなと思ってレコーディングをしたのをすごく覚えています。僕がいちばんPEOPLE 1を乗りこなすんだと思って歌ったので、この曲を通じて、PEOPLE 1をいろんな人に知ってもらいたいと思いますね。

──Deuくん、どうでしょう?

Deu(Vo・G・B・Other) あらゆる局面で苦労はしましたけど。おっしゃる通り、明確にギア入れて作ってるっていうか。マジで『ガンダム』のタイアップじゃなかったら生まれなかった曲かもしれない。50周年の記念テーマソングですからね。それだけ長い時間、作品を作ったり観てきた人がいる以上……頑張らなきゃいけないというか。今よりもっと大変な時代の中で作られてきたコンテンツでしょうから。“金字塔”ぐらい言わなきゃなっていう。

──「苦労した」っていうのは、たとえばどういうところ?

Deu 今回のタイアップ自体が単体の作品に対してのものじゃないので、ある程度『ガンダム』という作品全体を包括するスケールのものにしたいし。自分たちとしても、一度休んで復帰したあとの初めての新曲だから、行くとこまで行くしかないなって。正直、この歌詞の通りのことは、まだ僕は思えていないんです。僕、基本的にそういうことはしないんですよ。今までの曲はどれも、自分が思ってることを書いてきたし、昔書いた曲で、今とは考え方が違うなっていうこともない。でも“金字塔”に関しては、まだこうは思えていないんですよね。けど、書かなきゃな、もう書くところに来たんだっていう感じがあった。そこのズレを、摩擦を、メンタルの部分でどう乗り越えるかっていうところですね。

──そのズレを乗り越えようと頑張ったぶん、ブーストがかかったポップ感は出てますよね。タイアップに背中を押されたことで、思ってる以上に断言したところもあると思ったんだけど、そのへんはどうでしたか?

Deu うーん、「背中を押された」とは違うっちゃ違う気もしてて……別に落ち込んでいたわけでもないので。無理やり引っ張られていく……なんだろうなあ。自分が作品を作るということをいろんな角度で考えた時に、『ガンダム』というコンテンツを尊敬した感じでしたね。もちろん、もともと尊敬の念がなかったわけではないんですけど、自分はここまでまっすぐ来たタイプのクリエイターじゃないので、ここに来るまでにいろいろ思いましたけど。それはそれとして、コンテンツに対しての尊敬もあるし、僕は文化全般大好きなので、そこへのピュアなエネルギーだけを、なんとか掻い摘みたかったというか。基本的に、全部描かないとウソになっちゃうというか、反対側が見えなくなっちゃう気がするので、歌詞で一個のエネルギーのことを言及するのは好きじゃないんですけど。この曲はわりとそこだけを書いたから前向きにも見えるし。逆に言えば、別に解決はしていない。何かを解決した曲ではないけど、それはそれとして進むぞっていう。まだちょっと混沌としているが、進む、という感じですね。

──『ガンダム』のピュアな部分に対する信頼があるからこそ、無責任なポップをやってもいいんだ、という扉が開いたんじゃない?

Deu うんうん、そうっすね。その器はありますからね、『ガンダム』に。


“金字塔”をPEOPLE 1のいちばんの金字塔にできるのは自分だけだって思って、レコーディングした。それでも、「ここはもっとこうかな」とか「ああ……」ってなるのも、ガンダムのパイロットっぽいのかなって(笑)

──Deuくんはもともと『ガンダム』には、どういう思い入れを持っていたの?

Deu 僕は、もちろん作品は知ってますけど、シリーズを全部観たとかではなくて。今回の記念映像(『機動戦士ガンダム50周年 -Road to 50- プロローグムービー』)はちょっと俯瞰した物語なので、それ自体がネガティブなエネルギーを孕んでいるわけではないんですけど、『ガンダム』自体は、ポップネスでやってきたものではないじゃないですか。なので、そこは無視せずにいけたらいいなと思って、めっちゃ考えてました。『ガンダム』というものがあって、プラスPEOPLE 1っていう存在があり、そして僕自身のクリエイター性も出る。あらゆるものを包括しつつ、ちょうどいいところってどこなんだろう?って考えていきましたね。

──なるほどね。じゃあ『ガンダム』愛の部分はItoくんにもうちょっと詳しく話してもらおうかな。

Ito 友だちから話を聞いたり、ゲームだったり、いろんな場面で『ガンダム』に出会ってきて。そうやって触れていく中で──僕は小さい頃に戦隊モノとかにハマらなかったタイプなので、勧善懲悪というか、「正義は勝つ」みたいな概念しか知らなかったんですよね。そんな僕にとって、『ガンダム』はすごく衝撃だったんです。最初の一年戦争を切り取っても、シャアって悪い人なのかな?とか。彼は何を求めてるんだろう?とか。どっちが正しいんだろう?とか。シリーズを通してそういうことを感じられるのが、僕の中では衝撃で、どんどん作品にハマっていきました。メカがかっこいいな、すごいな、ということよりも、キャラクター一人ひとりが個性や信念を持っていて、人間性とか、描かれている背景がすごく深いところが、『ガンダム』の魅力だと思っていて。突然ガンダムに乗ることになるキャラクターもいるし、みんな困ったり迷ったりしている。そういうところを自分に当てはめた部分もあったかもしれないです。僕は曲も書いていないし、絶対自分じゃなきゃダメか?って言われると……これは別に謙遜とかでもなんでもなく。でも、こうなってしまった以上“金字塔”をPEOPLE 1のいちばんの金字塔にできるのは自分だけだって思って、レコーディングしたんですよね。それでも、「ここはもっとこうかな」とか「ああ……」ってなるのも、ガンダムのパイロットっぽいのかなって思ったりもしました(笑)。

──Takeuchiくんはどう?

Takeuchi 僕は、このお話をいただくまでは断片的にしか内容を知らなくて。今回のお話を受けて、『ジージェネレーション』というゲームをプレイしたりして、改めて『ガンダム』の知識を得ていったんです。『ガンダム』って、ちゃんと反戦を謳ってるんですよね。戦争は勝っても負けても資源の無駄遣いだし、悲しいことばっかりだし、って。物語の展開上、人が死ぬような描写も多いし、暗い部分がしっかり描かれている。そうやって『ガンダム』を知ったうえでこの曲を聴くと──現場で死んでいく兵士たちは、そういうふうに生きたくて生まれたわけじゃないじゃないですか。きっと、空を自由に駆けて、もっと楽しい人生を歩みたかっただろうなって思うんですけど、そういう部分を少しでもポップに描こうとしてるのかなって。記念ムービーは『少年とガンダム』というテーマなんですけど、夢を見る存在と、少し現実じみたものとの対比が描かれる中で、この曲調でこの歌詞であることには、意味があると感じました。

次のページ帰ってきて曲を作るのであれば、もうスカしたり、自分のフィールドに持ち込むのは終わりにしようと。自分の現状は置いておいて、作品は先に進みたいなって思った
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