【インタビュー】Age Factory・清水英介×ANORAK!・Tomoho Maeda、Age Factory主催レーベル0Aで生まれたクリエイティブの熱を語り合う! 「気合い」で結ばれた両者の絆とは?

【インタビュー】Age Factory・清水英介×ANORAK!・Tomoho Maeda、Age Factory主催レーベル0Aで生まれたクリエイティブの熱を語り合う! 「気合い」で結ばれた両者の絆とは?

ラッパーとコラボするなどジャンルレスな道を突き進み、11月8日に日本武道館公演が控えるAge Factory。彼らが 2025年5月に立ち上げた自主レーベル〈0A〉(ゼロエー)から、ANORAK!の3rdフルアルバム『FINGERS CROSSED』がリリースされる。ANORAK!は、バンドとしての確かなスキルを軸にプログラミングやオートチューンを取り入れたサウンドで、ASIAN KUNG-FU GENERATIONの後藤正文が立ち上げた音楽賞「APPLE VINEGAR -Music Award-」2023年特別賞に輝いた実力派。海外公演を行うなど洋楽/邦楽の枠組みを超えて活動するANORAK!とAge Factoryに共通するのは、DIY精神で自分たちのやりたいことを突き詰めるスタンスだ。
アルバムに先駆けたシングル『SUMMER TOUR』リリースを前に、0A代表を務めるAge Factoryの清水英介(Vo・G)と、ANORAK!のTomoho Maeda(G・Vo)の対談を敢行。交流が深まった夜のエピソードから、アルバム制作秘話、お互いのバンドの魅力まで、たっぷり語り合ってもらった。「気合い」というキーワードが何度も登場する熱いトークから、バンドに懸けるふたりのリアルな想いを受け取ってほしい。インタビュー=後藤寛子 撮影=Kazma Kobayashi (Bearwear, UUWorks)

ANORAK!に声をかけたのは、気合いを感じたから(清水)

──Age Factory主催レーベル〈0A〉は、音楽だけでなく、アーティストやスタイリスト、デザイナー、カメラマンなどが所属するクリエイティブな活動拠点となっています。レーベルを立ち上げた時から、いつかAge Factory以外のアーティストの作品も手掛けたいと考えていたんですか?清水 2024年のアルバム『Songs』の頃から自分たちのレーベルを立ち上げたいと思っていたんですけど、そもそも作品のリリースが目的というより、いろいろ関与してくれている仲間たちに対して何かしら冠をつけたいという気持ちがあったんです。立ち上げたあと、だんだんラッパーやトラックメイカーの友達と音楽を作る回数が増えてきたので、レーベルとしてアーティストにフィードバックできることがあるんじゃないかなと思うようになって。Age Factoryのために作ったものが他の誰かのためにもなるなら、やってきた意味があるし、自分たちももっといい活動できそうやし。ANORAK!がすごくいい音楽を作っていることを知っていたので、サポートできることがあれば、みたいなところから始まりました。前田 僕らとしても、活動の幅を広げていくためにどうしようかなと悩んでいた時期だったので。最初は、とにかくバンドのマネジメント全体に関するアイデアを共有してもらうような感じでしたね。清水 バンドごとにやり方はありますけど、僕らもセルフで運営をやってきた経験上、他のアーティストを見た時に「それは不必要じゃないかな?」「もっとこうしたほうがいいんちゃう?」と思ってしまうことがあって。特にインディーバンド界隈はやり方が固定化されちゃっている気がするので、そこに対してのアンチテーゼもあります。中でもANORAK!に声をかけたのは、気合いを感じたんですよ。前田 気合いって、よく言ってくれますよね(笑)。清水 お互い活動しているシーンはちょっと違うし、バンド的にまったく違うベクトルを持ちながらも何か通ずる部分があって。それが気合いなんですけど、僕はそこに絶対的な信頼を置いているんです。音楽性どうこうより、そこに可能性を感じた。いちばん実感したのが苫小牧で飲んだ時。前田 僕もめっちゃ覚えてます。Age Factoryは、ENTHの企画でFREE KICKという苫小牧のバンドと(苫小牧)ELLCUBEでライブをしてて。僕らがELLCUBEのすぐ近くのバーでBANGLANGという苫小牧のバンドの企画でライブしていたところに、英介くんたちがなだれこんできたんですよね。清水 (苫小牧を拠点としているバンドの)NOT WONKの加藤(修平)がアテンドしてくれたんですけど、すごくいいバイブスの空間で、さらっと観に行っただけなのに、普通にANORAK!のライブに食らっちゃったんです。もう鮮烈に覚えてる。そのあと、初めてがっつり飲んだやんな。前田 そうですね。ちょくちょく対バンはありましたけど、しっかり話せたことはなかったので、そこでお互いの気合いを感じられたんじゃないかなと思います。みんなただ飲みに来た感じだったから、先輩後輩とかも関係なくフラットに話せて、音楽の話もしやすかった。清水 俺らも、急に先輩がライブに来ることがあったなあと思って懐かしかってん。逆の立場になってるのが面白くて、俺らもENTHも長くバンドやってきたんやなあって。その場所をNOT WONKの加藤が作ってくれてるという文脈もよかったよね。
【インタビュー】Age Factory・清水英介×ANORAK!・Tomoho Maeda、Age Factory主催レーベル0Aで生まれたクリエイティブの熱を語り合う! 「気合い」で結ばれた両者の絆とは?

自分たちの活動を振り返ったらかなり変態だなと思いつつ、イカれた活動をしてきたことが強みになっているのかなと思います(前田)

──ANORAK!のどういうところに気合いを感じたんですか。清水 ANORAK!は僕らよりも地道なライブ活動をしてて、海外も多いし、相当バイタリティがないと絶対できないスタイルなんですよ。今の時代、そうじゃないバンドが圧倒的に多いと思うし、やりたくても文脈がないとそういう環境に繋がっていかない中で、自分たちの足と演奏と人間としての会話で繋げてきたんやと思う。やっぱりそういうバンドを応援したいじゃないですか。前田 今の若い子たちはSNSで簡単に発信できる環境があるけど、僕らがバンドを始めた2014年頃は全然違ったから、とにかくドサ回りして全国回っていくのが当たり前だと思ってた。今になって自分たちの活動を振り返ったらかなり変態だなと思いつつ(笑)、イカれた活動をしてきたことが強みになっているのかなと思います。清水 僕らもイカれた活動をしてると思ってるから、ANORAK!にもそのエネルギーが消失する前に存分に発揮してほしかった。だから、0AがANORAK!を扱いたいというより、ANORAK!に0Aの力を使ってもらうようなイメージです。クールなことをやろうとしているからこそ、そのクールな状態をどうキープするかが問題なんですよね。何事もいろいろ障害に当たると腐っていっちゃうから、ピュアなままパワーアップした状態で世に出せる流れを考えた時に0Aが力になれるかなって。俺らとしても、自分たちが作ったものが腐らないように世に出そうと頑張ってきたから、そのノウハウがANORAK!に対しても有効なのか確認したかった部分もあります。前田 やっぱり、いろいろな人にマネジメントを手伝ってもらうと、伝言ゲームみたいにもとのアイデアからどんどん遠ざかっていったり、人の解釈で違う方向に進んじゃうことがあるんですよね。英介くんはゼロイチでものを作っている人だから、自分のやりたいことを鮮度高く完成まで持っていくという部分で、めちゃくちゃ力になってくれました。制作中、「気合い」「高める」というワードが1日100回くらい出て(笑)。清水 (笑)。まあ、バンドは1から10までひとりで進めることは絶対にできないし、逆にそれが面白いところでもすごいあるんやけどね。──アルバム『FINGERS CROSSED』の制作にはどういうかたちで関わったんですか?前田 僕がデモを作ってアレンジを考えたうえでメンバーとレコーディングしていくという流れは一緒なんですけど、デモを奈良にある0Aの事務所にこもって作らせてもらったんです。普通にAge Factoryのメンバーや仲間が出入りする場所だから、制作中に、何気なく「いいやん」とか言ってくれる人たちが周りにいたことが今回かなり大きかった。気持ちよくアルバムのイメージを作り上げていけました。──いわゆるプロデュースではなく、環境を提供したと。清水 そうです。僕自身、曲作りの時に場所から選ぶこともあるので。奈良で作るバイブスもいいんじゃない?くらいのノリ。前田 バンドの中でも、曲作りをする人独特の孤独があるんですよね。必然的にひとりでいる時間が長くなるし。でも、その事務所にはラッパーやトラックメイカーも含めて音作りから自分でこだわっている人たちが集まっていたので、お互いに音楽を作る時のことを会話しながらできたんです。傍から見たら結構気持ち悪い会話だと思うけど⋯⋯。清水 アルバムの組み方についてとか、俺らにとって曲のイントロにはどういう意味があるんだろうね?とか(笑)。事務所に出入りしてるやつらは、自分が好きなようにやるスタイルが多いから。「こうしたほうがいい」と強要してくることもないし、「これ、○○っぽいね」と言われて「何それ?」と広がっていくのも面白い。メンバー同士だと生まれない会話なので。前田 そうそう。別に僕以外の誰かのセンスが入っているわけではないんですけど、アドバイスより「おまえらのここがかっこいい」みたいな話をしてメンタルを整えてくれた。清水 諦めんな、気合いだ!って(笑)。前田 「かっこいいから大丈夫!」と言われて、「そうか、かっこいいのか!」って、意欲を湧き上がらせてくれました。
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