EARTH STAGE・3日目のヘッドライナーとして登場するのはBUMP OF CHICKEN！　初のベスト・アルバム2作＝『BUMP OF CHICKEN I [1999-2004]』『BUMP OF CHICKEN II [2005-2010]』のリリース。初のスタジアム・ライヴ。初の日本武道館公演……と初めて尽くしだった2013年のBUMP OF CHICKENのラストを飾るのは、「COUNTDOWN JAPAN」への初出演！ということで、4人を待ち受ける満場のオーディエンスのはちきれんばかりの期待感は開演前から熱い！　そして、升秀夫（Dr）が勇ましくビートを打ち鳴らし、増川弘明（G）が、直井由文（B）が舞台に姿を現し、最後に登場した藤原基央（Vo・G）がブルージーなソロ・フレーズを響かせていく……という幕開けの場面から、EARTH STAGEの高揚感は早くも最高潮！　藤原の歌声に、4人のアンサンブルに、数万人が手を高々と掲げながら、でっかいシンガロングで応えていく。今この瞬間の歓喜を、誰もが全細胞で謳歌しているような多幸感が、幕張メッセの隅々にまで広がっている。「今日は1日楽しんできたんでしょ？　俺たちも交ぜて！」という藤原のコールに、割れんばかりの大歓声が巻き起こり、オーディエンスの頭上に舞い踊るバルーン以上に躍動感あふれる大合唱が、EARTH STAGE狭しと響き渡っていく。

「ご来場のみなさま、こんばんは！　BUMP OF CHICKENです！」と、今度は直井が語りかける。「僕らBUMP OF CHICKENは、今日が最初で最後のつもりで全力でライヴやるんで！　こんなカッコいいお客さんが集まったんだから、今まででいちばんのライヴにしようぜ！」の絶叫に続けて、ツアー「WILLPOLIS」を経て格段に訴求力を増したギター・ロック・サウンドが、凛と揺るぎない力強さに満ちた藤原の熱唱が、広大な空間をさらに熱く震わせていく。「1日、いいライヴいっぱい観てきたんでしょ？　観てるとね、『ああ、いいライヴ観てきたんだなあ』っていうのが、びんびん伝わってきます。いい1日だったね」と熱気まみれのオーディエンスに呼びかける藤原。「そんな中でも、ここに最後まで残ってくれて、本当にどうもありがとうございます」の声に、満場の拍手喝采が湧き起こる。「私事の話をしてもいいでしょうか？　来年、3月12日に『RAY』っていうアルバムが出るんです。もしよかったら聴いてください！　せっかくなんで、そのアルバムの中から……」という言葉に続けて披露されたのは、新曲“ray”。エレクトロの同期が生み出すファンタジックな風景と、藤原／増川／直井／升が響かせる4つ打ちビート＆バンド・サウンドの肉体感が一丸となって、雄大なサウンドスケープを描き出していく。バンプの「今」と「これから」を鮮烈に映し出す、最高の瞬間だ。

終盤のMCで再び藤原が語る。「今年、僕らもツアーやったり、レコーディングしたりして、いろんなことがあってここに立ってるんですけど……みんなもそうだと思うんですけど。フェスが終われば、他人同士に戻るわけじゃないですか？　こういうフェスがあるとさ、年末ですけど、みんな同じ目的でここに立ってるわけじゃないですか？……今日はいい日だ！」。EARTH STAGEが熱い拍手喝采で包まれる。最後まで轟々とシンガロングが吹き荒れ、メンバーが舞台を去った後も、アンコールを求めて鳴り止まない手拍子。そして……再び4人がオン・ステージ！　「呼んだってことは、まだ元気が残ってるってことか！　オーイェー、アハーンって言えんのか！」という藤原の叫びとともに流れ込んだラスト・ナンバーはもちろん“天体観測”！　観客の頭上に再びバルーンが跳ね回り、ひときわ高らかなシンガロングが鳴り渡って……終了。「やさしくしてくれてありがとう！」と直井。「俺らも今日で仕事納めます！　いい思い出ができました！」と増川。そして、「最高のライヴを、みなさんからもらいました。来年も音楽続けていくんで」と、最後にひとり舞台に残った藤原が語りかける。「それじゃ、またね。バイバイ！　風邪引かないでね。よいお年を！」……ロック史に残るBUMP OF CHICKENの名曲の数々が、数万人の歌声と響き合って、バンプが「COUNTDOWN JAPAN」とのかけがえのない1ページを刻んだ、記念すべき名アクトだった。（高橋智樹）