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「イエーーーイ!」という、その存在感のある声が放たれた途端、MOON STAGEの空気が一変した。闇の底から湧き上がるような痛烈なシャウトを登場するなり吐き出して、MOON STAGEに集まったオーディエンスを戦慄させてしまったのは、今年で3度目のCDJ出演となる小林太郎である。オープニング・チューンは“飽和”。衝動の塊のようなヘヴィな音塊がフロアの拳を突き上げさせる中、ステージ中央の小林は《通れない道はない そんなものは無い》と叫びを上げる。ゴリゴリとしたギターリフで幕を開けた”ドラグスタ“では、長い髪を振り乱しながら豪快にヘッドバンキング。4ピースで放たれる土石流のようなバンド・サウンドの破壊力はハンパないが、何と言っても、それを背負って歌い叫ぶ小林の、威風堂々とした佇まいは、どうだ。そのまま“リバース”へ突入すると、ソリッドなギターリフで畳みかけ、時に耳をつんざくファルセット・ヴォイスを響かせながら、壮絶なヘヴィ・サウンドをこれでもかと叩きつけていった。

「改めまして、小林太郎です。このステージを観に来てくれてありがとう。最後までよろしくお願いします」とジャム・セッションを奏でながらクールに挨拶すると、“答えを消していけ”へ。熱い火花が飛び散るようなサウンドは、目の前のすべてをなぎ倒していくような迫力に満ちているが、《痛みを伴う上昇志向です》《痛みを超えていけ》と吐き出される歌声が、この曲を貫くポジティヴなエネルギーを鮮烈に映し出す。続く“蛇烙”でも、大きなリズムで打ち鳴らされるバンド・サウンドが示すのは、確かな足取りで未来へと突き進もうとする、パワフルな邁進力。さらに2月12日リリース予定のEP『IGNITE』の告知を経て「幕張、飛べー!」とスタートした“安田さん”では、《生きていくために必要な怒り》という確信に満ちた歌詞も飛び出して、絶唱と爆音にまみれたステージを締めくくった小林太郎。ロックのスリルと興奮を体当たりで表現しながら、闇の先にある希望のメッセージを届けようとするその姿に、終始胸を揺さぶられたアクトだった。(齋藤美穂)





この4日間の模様を凝縮した別冊付録を、「ROCKIN'ON JAPAN3月号(1/30発売)」に封入! 全ライヴ・アクトのセットリストは、そちらに掲載されます。
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