“Can't Help Falling In Love”のパンク・カヴァーSEに乗って賑々しく登場すると、2人揃ってめちゃくちゃガーリーで愛くるしい衣装の大貫亜美と吉村由美が歌い出すのは、グリーン・デイ“Basket Case”のカヴァーだ! 手拍子を巻き起こしながら突き進む。そして“渚にまつわるエトセトラ”のディスコ・サウンドによって詰めかけたオーディエンスを踊らせながら、余裕綽々で歌詞を預けてしまっていた。「今年もこれで歌い納めですので、盛り上がっていきたいと思います!」「いろんな歌を歌っていきますので!」と、引き続き弾むようなダンスに巻き込んでくれるロック・チューンは“Tokyo I'm On My Way”。こちらはアメリカの名パンク・バンド、オフスプリングのデクスターによる提供曲だ。
そしてけたたましいキーボード・サウンドに彩られて転がり出すのは“DOKI DOKI”! かつてフジファブリック・志村正彦が手掛けた、捩じれまくる志村節が楽しいナンバー。思い返せば「COUNTDOWN JAPAN 09/10」、つまり志村が旅立ってしまった直後のステージで、PUFFYがこの曲を歌ってくれたのも忘れられない思い出だ。更にこの後には、奥田民生の作曲作品を連発で畳み掛ける。「ハイハイハイハイ!!」と景気の良い間の手を挟みつつ、バンドごとメロディをうねらせる物凄いアレンジの“サーキットの娘”から、不朽不滅のPUFFYクラシック“アジアの純真”でまたもや歌をオーディエンスに丸投げ。「今年もありがとうございました! また来年、どこかで会いましょう(由美)」「ありゃ〜したっ!!(亜美)」と、あっという間に辿り着いてしまった最終ナンバーは、この時期にはピッタリだけどずるいぞPUFFY、と言わざるを得ないユニコーン“雪が降る町”カヴァーだ。COSMO STAGEを温かい感動が包み込む。さすが永遠のガールズ・ロック・デュオ、古今東西の名曲を抱きしめるステージだった。(小池宏和)
この4日間の模様を凝縮した別冊付録を、「ROCKIN'ON JAPAN3月号(1/30発売)」に封入! 全ライヴ・アクトのセットリストは、そちらに掲載されます。