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SEもなく、ゆっくりと舞台に進み出てきた吉野寿/二宮友和/田森篤哉。ゆっくりと楽器のセッティングを確かめながら「……あ、ちょっと待った! 慌てない慌てない。一休さんも言ってるよ、『あわてない、あわてない』って(笑)」と話す吉野の軽妙な言葉も、満場のCOSMO STAGEの熱気を高めるには最高のスパイスだ。「さ、今年も残すところあとわずかとなってまいりました。みなさまいかがお過ごしでしょうか? まだまだ本日始まったばかりなので、日が暮れるまで楽しんでいってください……あ、申し遅れました。我々eastern youthというバンドです!」と高らかに鳴らした1曲目は、名盤『旅路ニ季節ガ燃エ落チル』の“青すぎる空”! 吉野の絶唱と鋭利なギター・サウンドが、二宮&田森の強靭なリズムが、幕張メッセを突き破って青空を貫くように轟く。
「俺たちは流れ流れてどこへ行ってしまうんでしょうか? 流れ流れて……」という前置きからアグレッシブな爆走感とともに鳴り渡ったのは、『孤立無援の花』から“いずこへ”。そして、ギター1本とは到底思えないほど鋭利で豊潤な吉野のギター・オーケストレーションが勇壮なビートとともに冴え渡った“雨曝しなら濡れるがいいさ”……「最高じゃあないっすか!」と、湧き上がる歓声に応えて吉野が語る。「みなさんが最高であるのと同じくらい最高かもしれないですけど、みなさんが最低であるのと同じように俺たちも最低です。最低だろうが最高だろうが、行く道はひとつしかないんだ!」。そんな魂の叫びに導かれて突入した曲は“荒野に針路を取れ”。ミドル・テンポの揺るぎないリズムと吉野の荒れ狂うギターの響きが、喉も裂けよとばかりの絶唱とせめぎ合いながら、COSMO STAGEをびりびりと震わせていく。徒手空拳の歌だけを携えてロックの荒野を歩み続けてきたイースタンならではの、胸に迫る瞬間だった。最後は再び『旅路ニ季節ガ燃エ落チル』から名曲“夏の日の午後”で大団円! 全身痺れるような爆音と歌声の余韻が、3人がステージを去ってからも熱く脳裏に残った。(高橋智樹)





この4日間の模様を凝縮した別冊付録を、「ROCKIN'ON JAPAN3月号(1/30発売)」に封入! 全ライヴ・アクトのセットリストは、そちらに掲載されます。
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