【特集】ロックとバンドの「楽しさ」が「希望」として響く場所──MONOEYES 10周年記念・ぴあアリーナMMワンマンライブをレポート!

【特集】ロックとバンドの「楽しさ」が「希望」として響く場所──MONOEYES 10周年記念・ぴあアリーナMMワンマンライブをレポート! - All photo by 石井麻木、高田梓All photo by 石井麻木、高田梓
MONOEYES結成以降の10年史を振り返るオープニング映像のあと、大歓声を受けてステージに現れた細美武士(Vo・G)、戸高賢史(G)、スコット・マーフィー(B・Cho)、一瀬正和(Dr)の4人が最初に演奏したのは、バンドの始まりの楽曲“My Instant Song”だった。表現のコンセプトや思想性によってではなく、ロックバンドが自由闊達に生きて音楽を突き上げる姿そのものが最大のメッセージになっていく、というMONOEYESの在り方の象徴のようなナンバーが、スタンディング形式の1階アリーナはもちろんスタンド席の観客も含め、シンガロングとジャンプの圧巻の渦へと巻き込んでいく──。

2015年に『My Instant Song E.P.』でMONOEYESがデビューを飾ってから、2025年で10周年を迎えたのを記念して、9月11日から計23公演の全国ツアー「MONOEYES 10th Anniversary -Running Through the Fire Tour 2025-」を開催してきたMONOEYES。そして──2025年12月21日、MONOEYESにとって最大規模のワンマンライブとして神奈川・ぴあアリーナMMにて開催された「MONOEYES 10th Anniversary Live "Firerunners"」は、細美、戸高、スコット、一瀬が響かせてきた音楽の強さと揺るぎなさ、そしてオーディエンスとの間に築いてきた信頼感と連帯感の確かさを、会場一丸の熱狂を通じて証明する最高の舞台だった。

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冒頭の“My Instant Song”に続けて、アグレッシブな躍動感に満ちた“Ladybird”、ポップパンク感炸裂の“Skippies”へ……と最新アルバム『Running Through the Fire』の楽曲を畳み掛け、熱く沸き返るオーディエンスを細美がさらに熱く煽りながら、初期からの重要曲“グラニート”へと流れ込み、広大な場内を歌声で満たしていった。
MONOEYESにとっては2021年の日本武道館以来のアリーナワンマンとなったこの日のライブ。上手・下手・正面と三面にわたって設置されたステージ背後の巨大LEDには、曲中の4人の熱演の模様が映し出されるのみならず、“Skippies”では細美出演のアメコミタッチの映像が流れたり、歌詞の物語を彩る美しい景色を描き出したり……といった具合に、ライブというコミュニケーションの場を「10周年ならではの特別なエンターテインメント」にしようとする創意工夫が随所に窺える。普段はライブハウスを主戦場としているMONOEYESだが、今回のぴあアリーナMM公演は「アリーナ会場がライブハウスに」的なレトリックでは語りきれない、大会場ならではの演出効果に至るまでバンド側の意識と情熱が行き届いたものだった。

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灼熱の高揚感がLEDビジョンの紅蓮の炎と共鳴し合った“Let It Burn”。ミディアムテンポのタフなビートと雄大なメロディが高らかなシンガロングを呼び起こした“Good Enough”。スコットがボーカルをとってスリリングな詞世界をエモーショナルに歌い上げる“Adrenaline” ──。ツアーを経て強靭に鍛え上がった最新アルバム『Running Through the Fire』の収録曲のほとんどをセットリストに組み込みながらも、“Adrenaline”から同じくスコット作曲の“Roxette”につないでみせるなど、バンド10年史を縦横無尽に駆け巡るようなライブ展開が、会場全体で魂の頂へと上り詰めていくような一体感を生み出していく。

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ライブ中に幾度か訪れたMCタイムでは、メンバーがひとりずつ10周年の思いの丈を語っていたのも印象的だった。10年前に細美から花見に誘われた際のエピソードを披露しながら「この人(細美)に惚れ込んで、少しでもいろんなことを学びたいと思って10年やってきました」と万感の想いを告げる戸高。開演時のオープニング映像を振り返って「僕に比べたら、この3人は全然変わってなくない?」と自身の髪型の変遷に触れて場内を沸かせつつ、「お祝いしましょう!」とキッズの歓喜を煽ってみせたスコット。「ようこそ、我が街・横浜へ!」と地元開催の喜びを伝え、「今日はね、9月から始まった10周年のツアーの集大成! 最初からみんなで超気合入れて、ああでもないこうでもないって、よくするためにみんなで頑張った。それが全部、今日に詰まってる!」と実感を込めて話していた一瀬。コロナ禍の無観客武道館(2020年)開催など、バンドの10年の歩みは決して平坦でも容易でもなかったはずだが、それでも4人が「バンドの喜び」そのものであり得た原動力は、MONOEYESという共同体とそこから生まれる音楽への惜しみない信頼、リスペクトに他ならない──ということが、メンバーの言葉からもリアルに伝わってきた。

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“Free Throw”では会場中にレーザー光線が飛び交う中、LEDビジョンには夜のコンテナ街の景色が現れ、さらに“Reflections”ではその風景に雨が降り注ぎ……と高精細な映像を駆使して多彩な光景を立ち昇らせていた今回のアクト。“Interstate 46”では真冬のアリーナ空間をサンセットビーチへと塗り替え、4人が見てきた景色を「みんなの景色」として歌と音で響かせてみせた。“Ghosts of Yesteryear”では『Running Through the Fire』のLAレコーディングでプロデュースを務めたポップパンクの名匠、マイク・グリーンが舞台に登場、自身もギターを構えて5人編成でパワフルなサウンドスケープを繰り広げていった。

「感謝があふれてやばいです!」。ライブ終盤、細美はひときわ晴れやかな表情でオーディエンスに語りかける。「俺たちの音楽を好きになってくれて、俺たちに頑張る意味を与えてくれて、ありがとう!」……そんな虚飾なき感謝の想いとともに披露したのは“世界が眠る日”。《明日が来る前に/この世界も終わるから》──「今この瞬間」をライブで最大限にドライブさせてきたバンドマンの生き様が、晴れの舞台でどこまでも強く、美しく鳴り渡っていた。そこから一転、スコット曲“Borders & Walls”と“Somewhere On Fullerton”を立て続けに轟かせ、アリーナを爽快な激走感で包んでみせた。

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会場一面に観客の拳と情熱が突き上がった“アンカー”から“Get Up”へつないで壮大なシンガロングを生み出したところで、「10周年本当にありがとうございました! マジで最高の思い出いっぱいあるよ。MONOEYESはまだまだ続きます。これからもよろしく!」と改めて感謝を伝える細美。「行こうぜ!」のシャウトから“When I Was A King”でアリーナに歌声とクラップの嵐を巻き起こし、“リザードマン”のダイナミックな疾走感で最高の大団円を描き上げていった。

『Running Through the Fire』の最終曲“Shadow Boxing”で始まったアンコールでは、細美アコギ&一瀬ピアノのイントロから雄大なスケールのバンドアンサンブルを編み上げ、“Run Run”のソリッドな加速感でアリーナの狂騒感をさらに熱く煽ったところでライブ終了──かと思いきや、さらなるアンコールを求める割れんばかりの手拍子と歓声に応えて、4人はもう一度ステージに戻ってきた。“Two Little Fishes”で軽やかにフロアを弾ませたあと、アリーナ一面に舞い踊る紙吹雪とともに、この日の最後に鳴り響いたのは“彼は誰の夢”。《僕らが過ごした/当たり前の日々も/遠くなるけど/きっと/蜃気楼みたいに/朝焼けに染まって/笑ってるのさ》のフレーズが確かな余韻を胸に残していった。

「『楽しきゃいいや』で始まったMONOEYES、このままずっと『楽しきゃいいや』でやっていくから」と細美はライブ中に観客に語りかけていた。その「楽しきゃいい」の陰の苦悩も困難もすべて抱えながら、理想ではなく今この瞬間の現実の希望として、彼らは音楽の/バンドの「楽しきゃいい」を高純度で体現している。それが何より感動的だった。(高橋智樹)

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「MONOEYES 10th Anniversary Live"Firerunners"」
2025.12.21 神奈川・ぴあアリーナMM

●セットリスト
01.My Instant Song
02.Ladybird
03.Skippies
04.グラニート
05.Let It Burn
06.Good Enough
07.Adrenaline
08.Roxette
09.Free Throw
10.Cold Reaction
11.Reflections
12.明日公園で
13.Interstate 46
14.Fall Out
15.Like We've Never Lost
16.Ghosts of Yesteryear(Guest Gt:Mike Green)
17.3, 2, 1 Go
18.世界が眠る日
19.Borders & Walls
20.Somewhere On Fullerton
21.アンカー
22.Get Up
23.When I Was A King
24.リザードマン

Encore
25.Shadow Boxing
26.Run Run

Double Encore
27.Two Little Fishes
28.彼は誰の夢

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