「LIVE SPARKS!」では、今注目すべき新進気鋭のアーティストのライブレポートをお届けします!22歳のシンガーソングライター、Gakuのワンマンライブ「楽祭 ~Gaku LIVE 春⾵~」がShibuya eggmanで行われた。アコースティックギターを持って、ステージにひとりで登場。すーっと息を吸って “全てを”を歌い出した。いきなりその巨大な歌の力に圧倒される。とにかく「本物感」が漲っているのだ。
きっと多くの人が感じたことがあるであろう、自らを偽ることへの嫌悪感を歌った“偽り”。1コーラスが終わってバンドの演奏が加わるが、Gakuの歌の強度は少しも落ちずに、むしろバンド演奏に背中を押されて威力が増大した。初デートから始まり、夫婦となったふたりの物語と情景がありありと浮かぶ“愛を”。ここでバンドメンバーは一度下がり、Gakuの弾き語りが始まる。披露された初めてのオリジナル曲“まだら”で悲痛な喪失感を描き、そして当たり前のように存在していた「君の愛」を失ってしまったことを歌った“泡”へと繋げた。人生を歩む中で生まれる普遍的な感情や経験を、グッドメロディに乗せてシンプルかつストレートな言葉とサウンドで届けるという王道の手法で、オーディエンスを次々と射抜いていく。
「トーキョーギタージャンボリー2026」にオープニングアクトとして出演したことへの感謝と共に、他の出演者のパフォーマンスを観て悔しさを感じ「いつかメインで呼ばれるくらい弾き語りを頑張りたい」と話したGaku。感謝とリスペクトを込めて、同イベントに出演していた秦 基博の“鱗”をカバー。原曲の良さを最大限に生かしつつ、自らの色を注ぎ込み、歌い手としての力量を見せつけた。「春というと皆さんはどんなことを思い浮かべますか?」と問いかけたあと、5月1日に4年間続けたバンドが解散したことを告げた。バンドでの楽しかった日々が、寂しさや不安を吹き飛ばし、背中を押してくれる──そんなこれからの道しるべとなっていく曲として制作した新曲“春風”。刹那と郷愁を宿した性急なアンサンブルに、大切な思い出を託すかのように歌を乗せた。ヘビーでパワフルなアンサンブルにサポートメンバーの紹介を織り込みながら、最後「ボーカル、Gakuです!」と名乗りを上げ、その勢いのままシャープなギターリフが轟き、“going down”へ。しっかりと振り幅も見せていく。
「すごいアーティストさんが溢れてる世の中で、僕じゃなくてもみんなを楽しませられるってわかっているのになんで音楽をやってるんだろう?って思う夜があります。路上やSNSでみんながかけてくれる声やコメント、今日来てくれたことが僕が音楽をやってる意味なのかなって思います」と話して本編ラストに演奏されたのは“Blue”。自分は世界の隅にいる存在なのだという孤独を振り払うかのように、伸びやかな歌をオーディエンスの心と共振させた。
「お父さんと武道館に立つという夢があります。ここにいる人たちみんなを連れて行きます。僕が音楽をやる理由と気持ちをこの曲にぶつけました」と、最後に歌ったのはカラフルな音色が踊る“切夏歌“。《君を諦めきれなくて/運命だなんて くだらないけど/信じてみたい 今は》。運命的に出会った音楽が生んだ夢に向かって突き進むGakuの決意と重なった。(小松香里)
このライブレポートは、5月29日発売の『ROCKIN'ON JAPAN』7月号にも掲載!
2026年5⽉6⽇(⽔・祝)
Gaku 「楽祭 ~Gaku LIVE 春⾵~」
●セットリスト
01. 全てを
02 .偽り
03. グッデイ
04. 愛を
05. まだら
06. 泡
07. 鱗 / 秦 基博(cover)
08. アマレット
09. 燈
10. 春風
11. going down
12. Blue
Encore
13. りんご飴
14. 切夏歌
●リリース情報
新曲『春風』
配信中
提供:Soymilk Co.
企画・制作:ROCKIN'ON JAPAN編集部